やしの実通信 by Dr Rieko Hayakawa

太平洋を渡り歩いて35年。島と海を国際政治、開発、海洋法の視点で見ていきます。

「太平洋の赤い星第2版」トシ・ヨシハラ, ジェイムズ・R.ホームズ著

 「太平洋の赤い星第2版」トシ・ヨシハラ, ジェイムズ・Rが昨年出版されていた。まだ第1版も読んでいないが、山形浩生さんが和訳して2014年に出版されている。 

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 出版に際してこの1月Global Taiwan Instituteで開催された講演を聞いてみた。(下にリンクしてあります)第1版とはかなり内容が更新されているとのこと。そして中国語の文献をヨシハラ教授はかなり読み込んだとのことである。

 ヨシハラ教授は、中国の学者がかなり歴史と理論を深く学んでいることに感銘を受けたと述べていた。私も中国人研究者の文献を読む機会は少ないのだが、英文になっている数点を読む限りでは、同じような印象を持っている。例えば南シナ海仲裁判決に関連し、中国人法学者は500ページ(多分。要確認)もの反論を英語と中国語(これも多分)で発表しているのだ。国際法は守るものではなく利用するものだ。それを中国人はよく知っている。

 それからヨシハラ教授が尖閣諸島の件でコメントしていたことが気になった。現状がステータスクオになってしまうことだ。日本の及び腰を批判しているように聞こえたが私の勘違いかもしれない。

 色々面白い視点を語っているが最後に列島線の事。第一から四まであるが、沖縄、グアム、ハワイ、サンディエゴ、と各列島線上に必ず米軍基地がある。中国はそこを抑えているのであろう、と。

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第2版は山形さんがまた訳してくれるのだろうと思うが、先に英文で読むべきだよね。

 

これも見よう。ナヴァロがヨシハラ教授を紹介している。第一版の紹介ビデオだ。

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