やしの実通信 by Dr Rieko Hayakawa

太平洋を渡り歩いて35年。島と海を国際政治、開発、海洋法の視点で見ていきます。

初めての札幌ー台風・地震・中国人そして国際法学会と北大文書館(4)

初めての札幌。主要目的の国際法学会と北大文書館の記憶がなくなってしまいそうなほど大きな経験が今回の地震だ。

学会の後に北大文書館を訪ねる予定で、初めての札幌は1週間の滞在となった。そこでゲストハウス、という安宿を取った。ホテルではないので、個室ではあるがトイレやシャワールームは共有だ。

そのホテル、なんと昨年中国から来たばかりの中国人が経営するゲウスとハウスであった。札幌に土地を買い、ビルを建て、会社を作り、お嫁さんの家族まで引き連れて来ている。北海道が中国資本に侵入されているのはメディアで聞いていたがまさか自分がそこに泊まるとは!

宿泊客も感覚的に90%が中国人!

そこにあの大地震地震対応、地元とのネットワークもなさそうな中国人オーナーは明らかにパニック状態だった。最新式のトイレは電気がないと流れない。レバーがどこにあるか調べるように私から指示を出した。NTTで携帯のバテリーを無料で提供している事とか、こちらから色々と教えてあげる状況であった。

後でホテルに泊まられた坂元教授から伺うとホテルがしっかり炊き出しをしてくれたり地震の後の宿泊代はなしにしてくれたり、とサービス業として当たり前のサービスがあったようだ。

長居は無用と判断し、自力で地震当日の船便、舞鶴へ向かうフェリーの最後の一室を奇跡的に確保し家路に着くことができた。

さて、この北海道の中国人。日本人だって世界中に進出しビジネスを展開している。何が違うのか?例えばパラオ東急リゾートさん。パラオ社会との対応に相当なエネルギーを費やしていることを伺っている。私が泊まったゲストハウスの中国人オーナーは北海道の同業者との交流はあるのであろうか?地震でキャンセルになった2泊のお金は返してくれないという。そういえば領収書もくれなかった。