やしの実通信 by Dr Rieko Hayakawa

太平洋を渡り歩いて35年。島と海を国際政治、開発、海洋法の視点で見ていきます。

東京帝国大学植民政策講義(8)新渡戸博士の講義 第五章植民地獲得の方法

 東京帝国大学植民政策講義、最後に書いたのが今年の3月。なんてまあ私の根性は弱いのであろう。あれから5月、すっかり忘れていた。

 百田さんだけでなく、「学者」を名乗る人でも日韓併合の「併合」は「植民」ではないと書いているのを見て驚愕した。学者だから当てずっぽうに言っているはずがない。そんなことをしたら学者生命は御終いだ。私が知らない議論があるはずだ。きっと。

yashinominews.hatenablog.com

 で、新渡戸の植民政策講義を思い出して久しぶりにめくった。

 「第五章植民地獲得」の方法に合併、と言うのがある。短い文章だ。

 合併とは保護国の一歩進んだもので純然たる植民地である、と書いている。例として1845年の米国が合併したメキシコのテキサス州、ボスニア・ヘルツェゴビナを合併したオーストリア、をあげている。

「合併」と「併合」は違うのであろうか?

 

 この「第五章植民地獲得」には「合併」の他に以下の方法をあげ、それぞれ説明している。

発見の結果たる権利

法王の特許

添附

征服

時効

譲渡

抵当

租借

勢力範囲

保護国

先占