日本の植民政策は、後藤、新渡戸、矢内原が構築してきた。まだ他にもいるかもしれないがこの3者は外せない。この数年(今ブログを確認したら2014年11月にカテゴリーを設けている)新渡戸、矢内原、そして後藤を中心に文献を散漫的に読んではブログにメモを書いてきた。
植民学の先行研究にも当たってみたが左翼イデオロギーで学術研究ではない。そこである植民地研究者に伺ったみたところ、やはり植民は悪いことで、スミスは議論が尽くされている、と結構感情的に反応された。「スミスは議論が尽くされている」と言っても誰がどのように議論したかは教えても無駄と思われたのか、それとも知らないのか教えてくれなかった。
「ではいつ頃議論尽くされたのですか?」と食い下がったら60−70年代だという。
これが2年前の話で早速図書館で検索して日本語のスミスの植民論についてまとめた論文を10本近く見つけてコピーだけとってファイルに入れたままだった。
それが韓国併合の話がメディアをSNSをにぎわかし、「併合は植民ではない」と百田尚樹さんや、学者の篠田さんという方が書いているのを見て唖然としてしまった。百田さんはわかる。学者ではない、小説家だ。篠田さんというのは学者である。根拠もなくそのような議論をするのは学者生命の終わりを意味する。きっと「植民とは何か?」という学術的議論があるのだろう、と忘れていた論文の束を思い出して読んでいる。
スミスの『国富論』って「植民論」 だったんですよ。100年前の学者は知っていた。一本ずつメモを書いていきたい。併合は植民ではない、という議論が出てくるであろう。もしくはご存知の方がいればご教示ください。