やしの実通信 by Dr Rieko Hayakawa

太平洋を渡り歩いて35年。島と海を国際政治、開発、海洋法の視点で見ていきます。

ニューカレドニア3度目の住民投票の結果いかに?(2)

これが昨日のニューカレドニア独立住民投票の結果。 独立反対が96.5%
これで決着が・・  つきませんよ!
投票参加者は44%。前回の半分。すなわちの独立したい人たちはボイコットしたのです。

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1988年の独立派とフランスの特殊部隊による殺戮を経た、マティニョン合意。
1998年のヌーメア協定を経て、2018年、2020年の2回の住民投票では小差で独立派は負けました。そして今回3回目にして最後の住民投票は、独立派がボイコットという形で独立を支持し、投票率が過去2回の半分という状況の中で、フランスに留まるという票が96%になっただけなのです。
なぜボイコットしたのか?また小差で負ける可能性もあったでしょうし、コロナで300人近くがなくなり、先住民の慣習として半年以上の喪に服す必要があり、投票を延期したいと申し出をしたにも関わらず、投票が行われたからです。
 
この結果にマクロン大統領は「ニューカレドニアがフランスの一部として残ることを決めたおかげで、フランスはより美しくなった」と宣言。
投票日、同日に放送された演説で、結果を「尊重」するよう呼びかけ、現在の目標は不平等の是正に焦点を当てた「共通のプロジェクト」を構築することだと述べました。
 
世界最大のニッケル鉱山を持つニューカレドニアは中国がその資源と、地政学位置から虎視眈々と狙いを定めている事は周知です。IRSEMは10月に発表した報告書では「独立ニューカレドニアは、事実上、中国の影響下に置かれることになる」と指摘。報告書では、中国・カレドニア友好協会の元会長であるKarine Shan Sei Fan氏が、独立派のリーダーであるRoch Wamytan氏のスタッフを務めていたとある。
 
潜水艦とAUKUSで、太平洋は「再び」アングロフォンとフランコフォンに別れた。フランスが太平洋で頼りにするのは?? 日本である。日仏海洋協力は安倍政権の遺産でもあり、私も大きく関与した。まずは先住民の文化活動支援だ。ソロモン諸島もバヌアツも共通である。メラネシア文化センターを宮古島か与那国に作ったらどうであろうか?北海道でも良いと思うけど、寒いかな。
 
 
参考記事

Chinese bogeyman looms over New Caledonia’s independence vote – POLITICO

New Caledonian Residents Decide to Stay French After Referendum