やしの実通信 by Dr Rieko Hayakawa

太平洋を渡り歩いて35年。島と海を国際政治、開発、海洋法の視点で見ていきます。

近代スコットランドの教育制度に関する一考察<読書メモ

  

ジェームズ4世, John Knox, John Calvin

 

ニュージーランド学会でニュージーランドの教育に関して発表することとなった。

スコットランド伝統教育観がどのようにニュージーランドに、そして太平洋にも波及したかと話す予定です。共同発表なので私の時間は5分間位だがその準備に数週間かかっています。

 

そもそもスコットランドの教育制度とはなんなのかを調べていて見つけた論文。

「近代スコットランドの教育制度に関する一考察」松下みゆき、人間文化学研究収録、2000、9.pp. 28-40

なんとスコットランドで義務教育が法律になったのが1496年。ジェームズ4世の時代。

そして産業革命時代。グラスゴーに人口が集中し、監獄管理費が200万ポンド。貧困対策費が700万ポンド。教育に予算を当てた方が安上がりであるとの結論に。

さらにスコットランドが教育に力を入れた理由がイギリスより学術分野で優位につきたい、とか色々あって面白い。

 

Education Act 1496 | European Royal History

Sadly too many people get their image of Scotland from such movies as Braveheart which depicted Scotland as a nation of warring primitive clans. While warring clans is a part of their history, Scotland also had a rich culture and by the fifteenth century Scotland was very advanced in areas such as educational systems with the founding of the University of St Andrews in 1413, the University of Glasgow in 1450 and the University of Aberdeen in 1494, and with the passing of the Education Act 1496 under James IV, King of Scots.

スコットランドというと、映画「ブレイブハート」のような、原始的な氏族が争う国というイメージを持っている人が多いようです。スコットランドは、1413年にセント・アンドリュース大学、1450年にグラスゴー大学、1494年にアバディーン大学が設立され、スコットランド王ジェームズ4世の下で1496年に教育法が成立するなど、15世紀までに教育システムなどの分野で非常に発展していたのである。

 

Flodden - Reign of King James IV Source 03

教育法、1496年

ジェームズは教養があり、知的な人でした。彼はスコットランド全土の司法行政を改善することに熱心でしたが、これには法律の良い知識と理解を持つ有能な男性の供給が必要でした。1496年、議会は、土地所有者が8歳または9歳から長男を学校に通わせ、良い教育を受け、法律を勉強するための進歩を遂げることを要求する教育法を可決しました。

翻訳

アイテムは、裕福なすべての男爵と自由保有者が8歳か9歳の時から長男と相続人を学校に入れ、能力があり指導され、完璧なラテン語を持つまで文法学校にとどまり、その後、芸術と法律の学校で3年間滞在し、正義が王国全体で普遍的に君臨することができるように、正義が王国全体で普遍的に君臨することができるように、王の高みの下で普通の保安貧しい人々が小さな傷害ごとに主権領主の主要な監査人を求める必要がないという正義を行うための知識。そして、法律的な言い訳なしで、ここで失敗すると言われているように、学校で息子を飼わないが、富の男爵や自由保有者は、それを持つことができる情報から、王に20ポンドの合計を支払うものとします。

 

<追記>もう一人重要なのがJohn Knoxである。彼がスイス滞在中にJohn Calvinの影響を受けて書いたThe First Book of Discipline ここに教育のユニバーサル化が書いてあるという。1560年出版。

ここで読める。

The First Book of Discipline – Free Presbyterian Church of Scotland