やしの実通信 by Dr Rieko Hayakawa

太平洋を渡り歩いて35年。島と海を国際政治、開発、海洋法の視点で見ていきます。

筆の力が与那国に民主主義を取り戻す

比川浜を望む、石垣繁先生。与那国のやしの実大学に来ていただいた。

 

私が90年代から八重山諸島で開催してきた「やしの実大学」。2023年1月の久しぶりの与那国訪問で自衛隊との共存がうまくいっている訳でもなく、島の中では自衛隊の賛成派と反対派が声を上げることも憚れているような閉塞感があることを知った。

一人、自衛隊反対の旗を上げている田里千代基町議は、琉大前学長の大城先生を通じ、かれこれ20年近い知り合いだ。

何よりも自衛隊誘致で期待されていた経済開発が進んでいない、という。確かに自衛隊が来ればコンビニができる、コンビニの存在は離島にとって大きいという話を以前聞いたことを思い出し、コンビニを探したがない。。

その代わり比川地域 共同売店というワンダーランドのような素晴らしいお店を見つけた。

話がそれたが、以前「やしの実大学八重山実行委員会」をお願いしていた、上地前八重山毎日編集長、池間八重山観光フェリー相談役、そして美紀子さん、宮良さんに相談役になっていただき4月29日に与那国で「再び、やしの実大学」を開催した。与那国と台湾、東シナ海の歴史と文化を見直す時、と思ったからだ。それは以前開催してきたやしの実大学のテーマ「島のアイデンティティ」でもあったからだ。

八重山毎日の三ツ矢記者が取材してくれたのだが、その後与那国の民主主義が動き出したような気配である。

私はオンラインでしか八重山毎日を読めないが三ツ矢記者はTweetを立ち上げ、関連記事を貼ってくれている。自衛隊のミサイル配置に関し、逃げる糸数町長を追い込みながら、町長を動かし住民説明の道を開いた。メディアの役割は大きい。それに若いことは恐れを知らない。30年前、初めて八重山の地を踏んだ自分を思い出してしまう。

 

三ツ矢記者は与那国を担当している。連載【自衛隊南西シフト】を賛成・反対の両意見をバランスよくまとめておりオンラインで読めるのでおすすめしたい。署名記事だ。

安全保障・防衛は国の専権事項と言うのであれば、島の人々の声を国会議員は聞いてほしい。