やしの実通信 by Dr Rieko Hayakawa

太平洋を渡り歩いて35年。島と海を国際政治、開発、海洋法の視点で見ていきます。

自由連合協定(COFA)予算可決(3)ブリンケン長官山田大使のコメント

 
先週可決された米国とミクロネシア3カ国の協定、自由連合に関するブリンケン長官のコメント。パラオのウィップス大統領がこのブリンケン長官を震え上がらせて予算が2倍になったのだ。つまり今まではこの半分の予算しかなかったと言うことだ。
繰り返すが7billionUSDというのは日本政府が沖縄に毎年拠出する金額である。米国は同じ額を20年間、人口は沖縄の10分の一だが広大な海洋に散らばるミクロネシア3カ国に拠出する額である。冷戦終結以降の米国のこの地域への対応を目の前で見てきた私には空虚な文書にしか見えない。
 
<機械訳>
自由連合協定(COFA)に基づく新たな援助協定を発効させるための承認と資金を提供する法律が成立したことを歓迎する。本日大統領が署名したこの法案の成立は、ミクロネシア連邦、マーシャル諸島共和国、パラオ共和国の自由連合国(FAS)との関係における新たな一里塚となる。
 今回の措置は、米国と自由関連諸国との間のコンパクト関連経済援助協定の交渉が成功したことに続くものである。 20年間という期間と71億ドルという強制的な資金提供は、これらの戦略的に重要なパートナーに対する我々の確固たるコミットメントを反映したものである。 我々は、議会におけるCOFAに対する超党派の強力な支持の継続に感謝している。
自由連合国との特別かつ独自に緊密な関係は、協定に支えられ、数十年にわたり米国の太平洋における関与の礎となってきた。 コンパクト関連の援助を拡大することは、政権の太平洋パートナーシップ戦略、インド太平洋戦略、国家安全保障戦略の重要な要素である。 私たちは、自由連合国のパートナーとともに、今後20年間にわたるCOFA関連の協力に取り組んでいくことを楽しみにしている。
***
 
米議会が予算を可決する前夜、ワシントンDCの友人からある文書が送られてきた。駐米山田大使からMike Johnson議長あてである、自由連合協定支持を明記した内容だ。その後SNSで同じ文書が流れていたのでここにコピーしておきたい。日米ミクロネシアの歴史を知っていれば衝撃的な文書、日本政府の対応だ。しかし私が90年代から主張してきた内容なのである。「日米協力でミクロネシア支援を」が安倍政権で「日米協力でインド太平洋支援を」に拡大した。キーティング司令官が2008年にパラオ高官に語っていたように広大な太平洋(インド洋も)を守れるのは日米しかいないのである。
山田大使の文書は「かつての日本委任統治領、沖縄を中心に6万人が移り住んだミクロネシアを米国はしっかり守ってくれよ。日本も協力する」と歴史を知っている私には行間から読み取れます。

機械訳

日本政府 駐日大使 ワシントン D.C. 2024 年 3 月 5 日 

ジョンソン下院議長、ジェフリーズ・マジョリティ・リーダー、シューマー・マジョリティ・リーダー、 マコーネル・マジョリティ・リーダー 各位 

日本政府は、日曜日に発表された2024会計年度予算案に自由連合協定(COFA)加盟国への資金が盛り込まれたことを歓迎する。3月3日 そのための米国議会議員の尽力に深く感謝する。

日本、米国、そして太平洋島嶼国は、太平洋のオーガンを共有する重要なパートナーであり、長い友好の歴史と、自由、民主主義、法の支配、人権の尊重、環境といった共通の価値観によって結ばれています。我々は緊密な協力関係を築き、深い友情の絆を築き続けてきた。

日本は、COFA加盟国に対する米国の長年のコミットメントを支持する。我々は、ミクロネシア連邦、マーシャル諸島共和国、パラオ共和国にとってだけでなく、同じ考えを持つすべてのパートナーにとってもCOFAが重要であることを強調する。2024年COFA改正法の成立は、この地域の平和と安定を確保し、米国と太平洋島嶼国とのパートナーシップを強化するために不可欠である。

太平洋における米国の最も緊密な同盟国として、太平洋島嶼国を支援するために皆様と緊密に協力できることを楽しみにしております。

敬具 
山田重夫 駐米日本大使