やしの実通信 by Dr Rieko Hayakawa

太平洋を渡り歩いて35年。島と海を国際政治、開発、海洋法の視点で見ていきます。

大洋州課職員X

 笹川太平洋島嶼国基金を再興させた私は外務省と比較的コミュケーションを密にとってきた。大きく動いたのは故小渕首相から笹川陽平会長に太平洋島サミット開催へ向けた協力依頼があった2000年である。当時の大洋州課宮島課長から連絡があり公式にコラボを展開した。

 サミットだけでなく、フォローアップ事業として森喜朗元首相がフィジーまで来ていただき会議も開催した。

 宮島課長からは感謝の気持ち、ということでフレンチレストランで御馳走していただいた。

 

 どこも同じだろうが、大洋州課職員は2、3年で異動する。太平洋島嶼のことがわかってきた頃にいなくなってしまうのだ。そんなこともあり、私は大洋州課職員Xとしてよく協力させていただいた。

 秋篠宮だったか、天皇皇后陛下だったか忘れたが、太平洋訪問に向けた御進講の専門家リストが欲しいという。デートをキャンセルし、12時近くまでかかってリストを作成した。勿論ただ働きである。

 沖縄で開催する国際会議。2、3千万円かの予算だけついている。琉球大学の大城肇教授と協力し、会議のテーマから招聘者、ロジ、すべてこちらで手配。これもただ働きである。

 

 ここ最近キャンベラ出張が続いたが、毎回オーストラリア外務省の大洋州課課長が変わる。半年で3人変わっている。日本以上の早さだ。担当職員の回転も早い。

 現在日本財団、笹川平和財団が進めているミクロネシアの海上保安案件の主要事業が地域コーディネーションセンターである。オーストラリア側からの提案だ。しかし、豪州側担当者は自分たちが提案したとの認識がまったくなかった。いろいろと背景を御進講する必用があったし、これからも必用だろう。

 こちらはカプチーノとアップルパイを御馳走いただいた。ポケットマネーのようだった。