やしの実通信 by Dr Rieko Hayakawa

太平洋を渡り歩いて35年。島と海を国際政治、開発、海洋法の視点で見ていきます。

オールジャパンでミクロネシアの海を護ろう

(写真は名古屋COP10。環境省近藤副大臣とミクロネシア・チャッレンジの代表団)

 

2010年11月のパラオ出張で、ミクロネシア・チャレンジ(MC)の前地域コーディネーター、シャーリン・メルサイ女史とお話をする機会を得た。 MCはアメリカに本部のある、The Nature Conservancy(TNC)が立ち上げた事業である。簡単に言えば、ミクロネシアの海洋保護地区ネットワーク。 ミクロネシアの地域協力の枠組みが形成されると共に立ち上がった案件で、国際会議等でも注目されてきた。

しかし米国主導というイメージは強く、2008年初めてミクロネシアの人による地域コーディネーターのポジションが設置された。 このチャレンジングなポジションを得たのがパラオ人のメルサイ女史であるが、グアム、マリアナを含む多様な価値観と背景を持つ人々との調整は難航したようである。この10月に辞任された。  

MCは当分地域コーディネーターを置かず進める。しばらくはMCの資金管理組織であるMicronesia Conservation Trust(MCT)とグアムにあるTNCがコーディネーション役を担う模様。 COP10でイベントを開催し、環境省近藤副大臣の参加も得られたそうだ。MCTの評議員委員には堂本暁子氏がメンバーになった。 私は2008年の洞爺湖サミット、2009年には第5回太平洋島サミットへ向け、MC支援を含む提言を出し、新聞にも掲載された。 確かに国内関係者と話をすると、やれあそこは米国のNGOが仕切っている、とか集金団体だ、とか、何も具体的な活動がない等々の批判の声しか聞こえて来ない。

近藤議員、堂本暁子氏も巻き込んで、超党派で、オールジャパンで、日米コモンアジェンダで、何か出来ないだろうか? アジア太平洋の海洋保護地区ネットワークにはMCの他に

■日本が主導する東アジア海洋保護地区ネットワーク

■インドネシアユドヨノ大統領が音頭をとる、http://www.coraltriangleinitiative.org

■キリバスの広大なフェニックス諸島保護区 (リンク切れ)

■ブッシュ大統領が2009年駆け込みで制定したマリアナ諸島から米領サモアまでの米領島嶼をカバーする世界最大の海洋保護地区 太平洋島嶼 米領サモアローズ島 マリアナ諸島

■ハワイの海洋保護地区、パパハヌモクアケア 等がある。