先月1月オバマ政権が2016年度予算として643.6 million USDを内務省の島嶼局用に提示したとのニュースがあった。
Obama's budget represents commitment to insular areas
Feb 03, 2015 Kuam News
http://www.kuam.com/story/28007731/2015/02/03/obamas-budget-represents-commitment-to-insular-areas
米国の自由連合協定を締結するミクロネシア3国の支援金は国務省ではなく、内務省の島嶼局(Office of Insular Affairs (OIA))が担当するのである。
島嶼局担当地域は 米領サモア、グアム、米領バージン諸島、北マリアナ諸島、プエルトリコ、そしてミクロネシア3国である。
イヤ、まだある。鳥のウンチ法(グアノ法)で獲得した太平洋の島々パルミラ環礁とウェーク島(こちらは海底通信ケーブル中継のため領土化)。
643.6 million USDの中の31million USDがCompact Impactという名目で、ハワイ、グアム、サイパンに振り分けられる。
Compact Impactとは何か?
ミクロネシア3国の総人口約4分の一に当たる56,000人が米領に住んでおり、その約60%がハワイ、グアム、サイパン、米領サモアにいるという。
この3万人強の教育費、医療費その他が馬鹿にならない。
ここ数年、ハワイやグアムのニュースで出てくるは、これらミクロネシア3国からの移民のための社会保障料が地元政府予算を圧迫している、という話と、チュック独立問題のブログで取り上げたように、ミクロネシア移民による犯罪、違法行為である。
Compact Impactの31million USDはこれらミクロネシア移民に受け入れ先のハワイやグアムが対処するための予算だ。
U.S. Government Accountability Office (GAO)が2013年に実施した調査では2004-2010年の7年間で1billion USD以上の費用がミクロネシア3国からの移民にかかっているという。年間約150millionUSDだ。2016年度予算の31million USDはその20%しか充当しない。
COMPACTS OF FREE ASSOCIATION:
Guidelines Needed to Support Reliable Estimates of Cost Impacts of Growing Migration
GAO-13-773T: Published: Jul 11, 2013. Publicly Released: Jul 11, 2013.
http://www.gao.gov/assets/660/655830.pdf
ミクロネシア移民を受け入れるハワイ、グアムにしてみれば、金はかかるし問題は起こす、という不満が出ている。他方、自由連合協定って米国に彼らを保護する義務があるんじゃないの?若しくはハワイ日系社会から、移民排斥の昔の経験に基づいてミクロネシア移民を支援しようという、人道的動きもある。
ミクロネシア3国にしてみれば、移民先の米領で肩身の狭い思いをし、虐められ、自由連合協定のお金はもらいずらくなるし、10年後には中止、という状況。
戦争に勝つ、という事は勝ち取った領土や人々を面倒見る事なのである。
もし先の大戦で日本が勝利していれば、日本の委任統治であったミクロネシア3国は日本の領土として、もしくは主権国家として日本と自由連合の関係になったかもしれない。ミクロネシアの海洋は日本の海上保安庁や水産庁の取締船が、そして海上自衛隊が守っていたであろう。
米国のミクロネシア3国の対する戦後の経済支援はヒドイ、とは多くの米国人自身が語っている事である。
米国連邦政府の職員にはアダムスミスを読みなさい。矢内原忠雄を読みなさい、と薦めているがもう遅きに失する観あり。やっぱり日本が出て行くしかない。ミクロネシア3国もそれを期待していると思う。