やしの実通信 by Dr Rieko Hayakawa

太平洋を渡り歩いて35年。島と海を国際政治、開発、海洋法の視点で見ていきます。

クック諸島の政治的地位

クック諸島の政治的地位

 2011年3月25日、日本政府がニュージーランド自由連合関係にあるクック諸島を国家承認することを決めた。

 クック諸島は現在27か国と外交関係を開設し,25の国際機関に加盟している。

 これで日本政府はクック諸島政府と直接交渉できるようになる。

 

 何を交渉するのか? 

 漁業権であろう、と推測する。

 陸地面積はわずか240㎢だが、EEZは180万㎢もある。漁業資源だけでなく、海底鉱物資源も有力だ。

 同じく米国と自由連合協定を締結するミクロネシア3国を日本は国家承認しているが、クックはニュージーランドの市民権とパスポートを有する地域(国家)として国家承認をして来なかった、と記憶している。(今度外務省大洋州課に確認してみよう。)

 他方、クック諸島が25の国際機関に加盟しその影響力も無視できず、また1997年に既に国交を締結した中国の援助も目覚ましい。

 国家としての政治的地位としては微妙だが、背に腹は変えられない、というのが本音ではないだろうか?

 クック諸島の人口半分以上がニュージーランドに住んでいます。友人も多いですが圧倒的に女性パワーが強い島、です。

 クック諸島と日本を結ぶのが、今はなき千葉の「行川アイランド」。

ポリネシアンショーというのがありましたがこのダンスグループは毎年クック諸島から来てました。カウラカ・カウラカさんという詩人で音楽家でダンサーで、文部政務次官までした方も行川アイランドに来てました。亡くなられましたが、美しい鼻笛でラブソングを黄昏のクック諸島で聴かせていただいたことが忘れられません。