やしの実通信 by Dr Rieko Hayakawa

太平洋を渡り歩いて35年。島と海を国際政治、開発、海洋法の視点で見ていきます。

昼食雑談ー寺島運営委員長との面談その2

 年末お会いする機会をいただいた寺島運営委員長から「紹介したい方がいます」と、現れたのはナント!大塚万紗子さんだった。

 大塚万紗子さんは寺島運営委員長のブログに時々登場され、気になっていた方である。エリザベス・マン・ボルゲーゼさんが1972年に創設した国際海洋研究所(IOI)の日本支部事務局長である。

 

 「海」には「母」という字が隠れているが、やっぱり男の世界、という印象。国交省のおじさんたちと仕事をする機会に恵まれたが「女は黙っていろ!」と何度怒鳴られたかしれない。「黙っていたら仕事できまへん。」と心中でつぶやき、粛々と進めてはいるが、他省のおじさんからこのような応対は受けた事はない。

 きっと大塚さんは、こんなおじさん達をも黙らせる、怖いお姉様に違いない、とドキドキしながらお話を始めた。大塚さんはNHKクローズアップ現代キャスター国谷裕子さんに似た超美人。それでもってなんだかとっても”やさしい”。

 どんな経緯で「海洋」に関わる事になったのかお話をさせていただいた。

「財団に入ってからは遠隔教育事業を中心にやってきまして、今はそれをテーマに博士論文を。」

「ボルゲーゼさんは海洋教育を遠隔教育で、というアイデアを持っていたんですよ。」

「えっ、本当ですか!?」

「海洋と通信の関連では海底通信ケーブルがあるのですが、最近太平洋の小さな島々を世界の大金持ちが投資して次々とケーブルでつなげる計画があるんです。領海域にかかる税金に比べ公海部分の税金がベラボーに安い事も一つの理由のようです。」

「ボルゲーゼさんは海底通信ケーブルで得られた利益を還元するよう主張されていました。きっと儲かる仕組みをご存知だったのでしょうね。」

「えっ、本当ですか!?」

 私が海洋に関わるようになったのは2008年。ボルゲーゼさんは2002年に亡くなられている。お会いした事はないが、大塚さんの背後にボルゲーゼさんの霊を見たような気がした。

 いつか大塚さんからボルゲーゼさんのお話をゆっくりとお伺いさせていただきたい。