<想像を超えるチャイナマネー>
当方の中国に関する認識は主に笹川陽平のブログに頼っている。その中でも官僚の汚職の規模をリストにされているのだが、この金額がすごい。
約30年間で外国に逃亡した汚職幹部は約4000人。着服金総額は約500億ドル(約4兆4000億円)
「中国官僚の汚職は億単位」より
http://blog.canpan.info/sasakawa/archive/2342
<太平洋に逃げるチャイナマネー>
この認識があったため、太平洋で蠢くチャイナマネーの仕組みが、よくわかったのである。
なぜ香港、マカオ、シンガポールから飛行機が飛んでくるのか?
なぜ大型のインフラ整備がされるのか?
中国の民間だか、政府だかわからない投資の在り方。
これらが、マトモな企業運営ではなく、汚職マネーを資本とした投資であると見れば、即ち逃したいお金である事がわかれば話が通じる。
小さな島に不向きな大型リゾート開発や、カジノが大陸で蠢くチャイナマネーのマネロンやタックスヘブンの怪しい活動だとするれば、納得できる。
加えて島嶼国は世界の怪しい金融の動きを背景に誕生した歴史を知れば(タックスヘブンを島嶼国に導入したのは英国政府)なおさら納得できるのだ。
<水産資源枯渇にもからむチャイナマネー>
このチャイナマネーが太平洋の水産資源枯渇の真犯人、と言ったら皆さんは信じてもらえるだろうか?
水産総合センター宮原理事長のパワーポイント資料を入手し、引用の許可をいただいたので、下記に3つのグラフを示したい。
簡単に整理すると、西太平洋海域で80年代から漁獲が増えているのがカツオ。
同時に増えているのが巻き網。即ち巻き網でカツオを取っている。
そして巻き網漁船を増やしているのが、ナント島嶼国。10年間で17隻から66隻に増やしている。これは便宜置籍船で、実際は台湾が運営している。
後は米国、フィリピンも巻き網を増やしている。これも背後にあるのはチャイナマネーなのだそうだ。
さらに、以前ブログで紹介した登録されていない、パラオやヤップに入漁料も払っていない、ベトナム、フィリピンの違法操業で取られたマグロを買い付けると予想されるのが、フィリピンにある2大ツナ缶会社。これもチャイナマネー。
加えて、これらの漁船が、麻薬、マネロン、密輸等々あらゆる越境犯罪に加担している可能性も指摘されている。
<チャイナマネー、ビリオネラー、環境NGO>
某島嶼国にある、米国大使が「チャイナマネーだけは入れたくない」とかなり感情的に発言していたのが未だに忘れられない。
バヌアツもチャイナマネーによる空港開発は中止したようである。
チャイナマネーのどこが悪いのか?
小さな島の環境、社会構造を壊し、汚職を招き、さらには漁業資源まで枯渇させようとしているのだ。
お金を逃がすだけでなく、逃亡先として太平洋の島嶼国は中国官僚にとって天国だ。
法規制の弱さといい、国境警備の弱さといい、まさに天国。
豪州ビリオネラーのお金が、今また巨大環境NGOが、島嶼国を、パラオを翻弄する姿を目の前で見るという貴重な経験をした。
たかがお金、されどお金。海洋に群がる大金。お金の力は侮れない。