やしの実通信 by Dr Rieko Hayakawa

太平洋を渡り歩いて35年。島と海を国際政治、開発、海洋法の視点で見ていきます。

皇太子ご夫妻のトンガ王国訪問

皇太子ご夫妻のトンガ王国訪問が、メディアで多数取り上げられており、特に雅子妃殿下のご様子がよく画面で出ていた。

とても良いご表情をされている様子が画面から伝わり、若干の不安を持っていた多くの国民は安心以上に、心底喜んだに違いない。私もそんな一人である。

これを機会に雅子妃殿下には皇室外交を、伝統的価値観を重んじる太平洋で展開していただきたいと勝手に思ったりする。

さて、トンガ通でもないのだが、若干トンガを知る者として書いておくと、戴冠式で、昼食会で皇太子ご夫妻の隣に座られた国王のお姉様、Salote Mafile'o Pilolevu Tuita王女こそが、母系社会のトンガでは一番のパワーを持つ方なのである。

多分、国王でさえ逆らえないはずだ。

その王女から子豚の丸焼きが雅子妃殿下の滞在する宿泊所に送られた、とういうニュースを観て皇室外交の成功を確信した。

 

この子豚の丸焼き。皮がパリパリで美味しいのです。

 

「皇太子ご夫妻 トンガ邦人らとの懇談に出席」

日テレニュース24、2015年7月5日

http://www.news24.jp/articles/2015/07/05/07303491.html

 

 

ご感想が発表されていました。

 

「皇太子ご夫妻:トンガ国のご訪問を終えたご感想」

トンガ国のご訪問を終えて

 

 この度、トンガ国を訪問し、トゥポウ6世国王陛下の戴冠式に参列できましたことを大変うれしく思います。7月4日にフリーウェズリアン・センテナリー教会で行われた戴冠式は、多くの参列者や国民が見守る中で厳粛に執り行われ、荘厳な中にも心温まる式典に深く感銘を受けました。天皇皇后両陛下には、歴代の国王王妃両陛下と親しくご交流になられてこられています。このように我が国皇室とトンガ王室との間で親密な交流が積み重ねられている中で、この度、トゥポウ6世国王陛下よりお招きをいただき、戴冠式に参列し、心よりのご祝意をお伝えできたことを大変ありがたく思っております。

 

 トンガ国訪問中には、国王王妃両陛下を始めとする王室の皆様方、ポヒヴァ首相を始めとする政府関係者の方々に、心のこもったおもてなしをいただいたことに深く感謝しております。トゥポウトア・ウルカララ皇太子同妃両殿下には、空港にお出迎え、お見送りいただくなど、温かいお心遣いをいただき、戴冠式昼食会の席上などで親しくお話しすることができ、大変うれしく思いました。今回の戴冠式にあたり、トンガ国は祝賀一色であり、国王陛下への国民の温かい祝福の気持ちを感じました。こうした中でトンガ王室やトンガ国民の皆様に温かく迎えていただいたことを心からありがたく思いました。

 

 また、今回の訪問では、青年海外協力隊員やシニア海外ボランティアの方々とお会いしましたが、日本語やそろばん・算数教育を始め様々な分野での活動を通じ、着実に協力の成果があがっていると聞き、450名を超える青年海外協力隊員やボランティアの方々の40年以上にも及ぶ、地道な活動や努力をうれしく思いました。また、お会いした在留邦人や日系人の方々が、トンガ社会に溶け込み、活躍されていることを心強く思っております。更に、在日トンガ人コミュニティー代表の方々ともお会いしましたが、我が国の高校や大学を卒業したトンガ出身のラグビー選手たちが、我が国のトップクラスのチームで活躍していることも喜ばしいことです。

 

 このように、我が国とトンガ国の間では、開発援助を始めとする政府間の協力のみならず、両国国民間の温かい交流が積み重ねられてきています。これからも我が国とトンガ国との関係が深まり、両国国民の友情と交流の絆が更に強まればと願っています。私たちも、両国の親善、友好のために少しでもお役に立てれば幸いです。