ミクロネシア連邦の通信制度改革が、私の提案で開始し、その後世銀等の支援を受けて昨年、モリ政権下で法案が通った事をこのブログでもお伝えした。
パラオーヤップーグアムを結ぶ海底ケーブル事業はミクロネシア連邦とパラオの国家共同事業としてミクロネシア大統領サミットでも協議され、法案も通り、世銀、アジ銀の融資も確実になり、いよいよ実施という段階に入った。当方はこの事業は日本企業が受注すべきと、古屋議員や在ミクロネシア連邦大使館の坂井大使に陳情させていただいた。
ところが、この海底ケーブルが、昨年NECが受注したインドネシアのメナドからフィリピン、グアム、ロスアンジェルスを結ぶSEA-USというケーブル施設事業に接続する方向で話が進んでいた事がわかった。
「NEC、東南アジアと米国を結ぶ光海底ケーブル「SEA-US」の建設請負契約を締結」
2014年8月29日
日本電気株式会社
http://jpn.nec.com/press/201408/20140829_01.html
なぜわかったか、というとここに来てパラオ議会が、新たなローンをアジア開発銀行から借りる事に反対する動きがあり、この黄金の機会を失ってしまう事態がニュースになっているからだ。
Palau misses out on fiber cable opportunity?
Island Times
WRITTEN BY JOSE RODRIGUEZ T. SENASE
MONDAY, 03 AUGUST 2015
どこの太平洋島嶼国も大きな財政赤字を抱えている。
パラオは1992年に米国政府から通信インフラ整備のための35年ローンを実施した。
ローンは$39,143,000で金利は4.59% 年間2億円強の返済だ。
これは米国のRUS(Rural Utilities Service)という制度で元来米国国内への融資である。これをこのままパラオ等の自由連合協定締結国に応用するのはどうなんであろうか?
RUSは1930年代、ルーズベルト大統領のニューディール政策の遺産でもある。
ちょっと調べたら世銀やアジ銀の融資金利は1%前後である。
4.59% ー 日本の民間銀行でさえ、こんな金利はつけない。
米国はなんのためにパラオを日本から奪ったのか?(答えは知っている。フィリピン奪回のためだ)
やっぱりミクロネシア3国は日本がしっかり支援すべきではないでしょうか?
米国政府に訴えたい。
米国はICTの分野では世界のリーダーなのである。
100年前に「ユニバーサルサービス」という言葉を生み出し、80年代世界に先駆け規制緩和を敢行し、ゴア副大統領の下、GIIー世界情報通信基盤政策を掲げ、インターネットを生み出した。
通信はベーシックヒューマンニーズである。
早急に金利の見直しか、ローンの放棄をすべきである。