やしの実通信 by Dr Rieko Hayakawa

太平洋を渡り歩いて35年。島と海を国際政治、開発、海洋法の視点で見ていきます。

バヌアツ共和国 国家海洋政策を策定中!

バヌアツ共和国の国家海洋政策策定が進んでいるようだ。

 

きっかけは、国民の合意を得ずに、担当大臣が袖の下をもらって、勝手に海外の鉱山会社にバヌアツEEZの海底鉱山開発の権利を売り渡した事件である。

 

これに対応したのが、我らがレゲンバヌ議員。昨年東京で開催した会議にも御参加いただいた。ご尊父はセシー•レゲンバヌ閣下。国父の一人で1988年の太平洋島嶼会議に御参加いただいている。

 

2014年昨年には、パプアニューギニア国父ソマレ閣下のご令嬢が務めるバヌアツのシンクタンク、Pacific Institute of Public Policyから報告書を出した。

 

そして2015年、下記のVanuatu Daily Postによると対象を海底鉱山だけでなく、海洋全体の、即ち国家海洋政策を作る事が決まった。

 

"Consultations on draft Seabed Mining Policy to resume in April"

January 20, 2015, By Jonas Cullwick, Vanuatu Daily Post

http://dailypost.vu/news/consultations-on-draft-seabed-mining-policy-to-resume-in-april/article_127084f1-3bf3-5181-8ee1-1b4e62a85d54.html

 

バヌアツ共和国 ー 人が住む島が80ほどあり、100前後の言語、即ち民族が共存する。これが国家として今まさに統合される過程にある。バヌアツ三千年の歴史初めての挑戦!

 

”Facebook 2015 Vanuatu National Oceans Policy Consultations” からは海洋政策委員が各島を巡ってコンサルテーションを実施している様子がわかる。

https://www.facebook.com/2015-Vanuatu-National-Oceans-Policy-Consultations-1617322035199465/?fref=ts

 

当初昨年の10月の完成予定だったようだが、昨年3月の同国を襲った大型サイクロンパム、そして政権転覆劇、国会議員裁判事件(14名の議員が牢屋に)、加えて空港閉鎖事件(これは次回のブログで取り上げます)等々、これでもか、という程苦難に襲われるバヌアツ。完成はいつか?

 

日本の沿岸総合管理活動と協力、共有できる部分があるのではないだろうか?