やしの実通信 by Dr Rieko Hayakawa

太平洋を渡り歩いて35年。島と海を国際政治、開発、海洋法の視点で見ていきます。

中国と北朝鮮を結ぶパラオ船籍の船

パナマ文書に出て来る、サモアとニウエの件も気になっている。

両国ともニュージーランドと深い関係があり、ニュージーランド、そしてオーストラリアに話は繋がるので、もう一日、調べてから書きたい。

水不足が深刻なパラオのニュースである。

 

「北朝鮮寄港を申告せず 中国人船長を書類送検 留萌海上保安部」

産経デジタル 2016.4.4

http://www.iza.ne.jp/kiji/events/news/160404/evt16040412310012-n1.html

 

記事は短いので下記にコピーする。

 

「 北海道・留萌港に入った際、北朝鮮に寄港していたことを申告しなかったとして、留萌海上保安部は4日、国際船舶・港湾保安法違反(虚偽通報)の疑いで、パラオ船籍の貨物船「ラッキースター8」(4573トン)の中国人船長(49)を書類送検した。

 

 送検容疑は1月29日から2月1日の間、北朝鮮・大安に入港していたのに、中国に寄港していたと留萌海保に虚偽通報をしたとしている。海保によると、乗組員は船長のほか中国人とベトナム人15人で、入港時に積み荷はなかったという。 入港後の3月28日午後、船内を立ち入り検査した際、虚偽通報が分かった。船長は容疑を認めている。 海保によると、北朝鮮に寄港した第三国船籍船舶の入港を禁じる、独自制裁の閣議決定前に北朝鮮を出ていたため、留萌への入港は可能だった。」

 

この便宜置籍船。マーシャル諸島でも、どこでもやっている。

また日本始め、世界の船会社が利用している。これ自体が違法なわけではない。

パラオは、2011年頃この便宜置籍船ビジネスを開始した。

ちょうどシーシェパードの件で在パラオ日本大使館と連絡を取っていたとき本件をお伺いした記憶がある。

 

問題は、以前このブログでご報告したパラオに突然現れた中国の幽霊船もパラオ船籍を持っていたこと。

謎の中国船、パラオで廃棄か? - やしの実通信 by Dr Rieko Hayakawa

 

そして今回の中国と北朝鮮を結ぶ貨物船にパラオ船籍が利用されていた事である。

トンガ船籍の船をアルカイダが利用していた事もあるので、これも始めての事ではないが、殆どの会社が経費節減を目的に利用する便宜置籍船が、犯罪に利用される事になるのは問題である。

本来は自由連合協定を締結する米国政府が指導、アドバイスする立場なのであろうが、肝腎の米国の政治家やビジネスリーダーがパラオ便宜置籍船による黒いビジネスを手引きしている「噂」もあるのだ。