なぜか国務省(とPEW)が仕切る米国の海洋政策。
Our Ocean 2016の会議には各国の外相が招かれた。
その一人が豪州のジュリー・ビショップ外相。
「海洋保護区設置するのも大事だけど、海洋保護区をどうやって運営して将来に投資するかの方が大事なのよ。(わかってる?ケリー)」
こちらが原文です。
"While it is important to establish marine protected areas – it is as important to ensure these areas are well managed, with comprehensive plans and investment for the future."
よくぞ言ったジュリー!
残念ながらビショップ外相の演説時、ケリー長官はまだホワイトハウスにいた。
豪州政府は世界一大きいグレートバリアリーフを守るため、今後10年で2ビリオンドル(約1500億円)を拠出し約700億円の基金を設置する事にしたそうである。
それだけではない。このブログでおなじみのパシフィックパトロールボートは太平洋諸島を監視していること(実際ほぼ機能していません!)、バヌアツ、ソロモン諸島、キリバスの28の村の沿岸漁業を支援している事も述べた。PEWのプロパガンダ体質を豪州海洋関係者はよく認識しているに違いない。ビショプ外相の演説は米国、PEWへの嫌みのように読めたのは私だけでしょうか?
さらに豪州外務省が主導するinnovationXchangeというブルーエコミーを支援する政策を発表した。
このブルーエコノミー、この会議にビデオで参加したチャールズ皇太子も述べているので、次回はそれを取り上げたい。
ところで、ケリー長官が開始したこのOur Ocean会議。来年はマルタで、2018年はインドネシアで。さらに2019年はノルウェイで開催される事がこの会議に参加した各国閣僚からアナウンスされた。米国は政権が変わっているはずだが、どうせPEWが仕切るのであろう。
ビショップ外相の演説
Address to 'Our Oceans' conference
ビショプ外相演説動画はこちら。8:50辺りから。
https://www.dvidshub.net/video/483439/our-ocean-champions-one-future-day-2-part-6
これが豪州外務省が進めるブルーエコノミーのプロモーションビデオ
Department of Foreign Affairs and Trad
<追記>
ビショップ外相が3ビリオンドルかけて守ると宣言したグレートバリアリーフに中国の船が2010年座礁。中国船会社は過去6年間賠償責任を拒否してきたがこの度約30億円で合意。実際には100億円との試算も。
豪グレートバリアリーフで座礁の中国船、30億円賠償で和解
AFP=時事 9月19日(月)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160919-00000038-jij_afp-int
これで思い出すのがパラオの座礁事故だ。誰も対応できない。どこからか巨大バージがパラオ南部のソンソール環礁に乗り上げても、誰かが引き取りに来るのを待っているだけなのだ。ビショップ外相の言う通り、海洋保護区はその設置よりどう運営するか、である。
参考