やしの実通信 by Dr Rieko Hayakawa

太平洋を渡り歩いて35年。島と海を国際政治、開発、海洋法の視点で見ていきます。

小国のパワー;地球の2%の人口が世界を動かす現実

前から気になっていた小国の数とその人口のバランス。 ウィキに一覧表があったので、試作してみたい。 ウィキデータなので、勿論正式ではないし、世銀とか探してもないので、取りあえず遊びで作ってみた。リストは国家だけでなく多くの自治領も入っている。

人口と国家の割合.png
下の円グラフはウィキにあったもの。 タイまでで地球の人口の約70%を占める。 しかし、その70%の人口を占める国の数は、全体の10%強である。 (タイの人口が6千万強で、上の円グラフの5千万以上のパーセンテージを合わすと11%。) 言い換えれば地球の30%の人口が90%の数のパワー、投票権を持っている。 と言ってもこのウィキのデータは自治領も入っているので、国連メンバー国だけのデータがあればそれで見た方がよいであろう。
 
World_population_percentage.png

 

数の上では50%を占める500万未満の国・領土の人口は世界の人口の1.7%だ。 1.7%の地球人口が数で世界アジェンダを左右する。 私は民族自決も自決権も反対しない立場だ。どちらかと言うとポーランド文化を大事にするルクセンブルクに近い。 しかし、この現在の世界の政治的状況は問題だ。 具体的には小国は人口規模や経済規模から国家として機能できない面がある。

例えば昨日書いたBBNJの国連での議論だ。多くの小国が管轄権の意味や生物多様性の意味を理解できていないまま議論が進んでいると思う。 小国の存在自体に問題があるのだ。繰り返すが民族自決も自決権も反対しない。これはカーや掻っセーゼ先生も同じ立場だ。しかし主権国家として政治的経済的独立を維持するのは無理がある。 丸山先生の分析が正しければ、マルクスもレーニンもそんな事を考えたこともなかったのだ!