やしの実通信 by Dr Rieko Hayakawa

太平洋を渡り歩いて35年。島と海を国際政治、開発、海洋法の視点で見ていきます。

ポール・アレンのフェイクな試みとパラオの水産資源

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SkyLightというフェイクな違法操業監視技術に40億円出したマイクロソフト創業者

マイクロソフトの共同創業者ポール・アレンが40億円位を投資して、空から違法操業取締をする技術開発をする、とのこと。 そしてこれを昨年のマルタの国際会議で発表したのだそうだ。

また海洋問題を何も知らないビリオネラーとメディアが書きまくっているが、海洋立国の日本はこんなオバかな試みを支援してはならない。

Paul Allen Wants to Use Satellites and Software to Fight Illegal Fishing The Microsoft co-founder is donating $40 million to the effort By Dina Bass 2017年10月5日 https://www.bloomberg.com/news/articles/2017-10-05/paul-allen-wants-to-use-satellites-and-software-to-fight-illegal-fishing

(この記事読んで突っこみどころが10カ所指摘できなければ、太平洋島嶼国、海洋問題、勉強する必要あり、です)

この記事を読んでいると太平洋島嶼国の法執行能力の限界や、水産資源管理に関して全くの無知である事が、ゾクゾクする程よくわかる。これを支援しているのが海洋環境保護で世界に名を馳せたレメンげサウ大統領と米国の環境NGOピューであるという。 グッドニュースは、(占領軍が指示した)日本の水産庁の取締船が強化され、水産資源専門家の派遣が決まった事だ。さらに養殖所も新築される。 トマトソースのケリー長官と、アップルの国務省副長官Catherine Novelliと、ピューとデカプリオが始めた米国のOur Ocean。2020年にはパラオ開催が予定されているが、現地ではこのフェイク海洋環境保護活動に気づいる。それまでに日本が法の秩序を基盤とした海洋問題と水産資源開発の支援をしっかり固めるべきであろう。 パラオから応援を頼まれているので、私もできる範囲で応援したい。

既に80%のNo Take Zoneが盛り込まれている海洋保護区法は、海洋法上疑義がある事はパラオに広く知らしめている。