よくこの太平洋島嶼国を相手に、基金を立ち上げる事ができましたね、と聞かれたのでアイランダーのイエスの意味を話した。
1989年に設立された笹川太平洋島嶼国基金は最初に担当された方が、カオス状態のまま去ってしまった。そこに私が入ったのである。財団に中には太平洋島嶼国の事も、基金がどのように動いていたかも知る人はいなかった。全て一人で理解し解決して行ったのである。
その中で太平洋島嶼国の人々とのやり取りは多くの事を学んだ。
日本人が来れば俺の息子の名前は太郎だ、と言い、米国人が来れば同じ息子の名前はジョンだ、と言う。最初この2枚舌なんだろう、と驚いたがそれが小国、小さい島社会の生き方、方法なのである。
その後、私もこの2枚、3枚舌を使用する練習をしたが結構難しい。しかしこれは外交の基本だ。
結果オーライであれば良いのだ。
パラオの某閣僚との話
「なんでリエコは島の事が理解できるんだろうねえ。ありがたいけど。」
「それはですね閣下、島人のイエスには10位の意味がある事を心得ているからですよ。」
「そうそう、10位あるねえ。」と笑って同意いただいた。
ノーと言えない日本人じゃないが、島人もノーと言えない。しかし日本人から見ると嘘つき、と思える程ノーと言わない。ノーでもイエスと応える。だから「明日会いに行くよ」と言われて来ないのは当り前。来ない理由を忖度できなかった貴方が悪い。
なので、情報は多角的に取る事が必須なのだ。みんな都合の悪い事は言わない。