江崎先生の新刊『日本占領と「敗戦革命」の危機』第1章。
全部読んでから感想、なんて書けないので一章ずつ。しかし私のような素人にもわかりやすく、節も短いので読みやす。それに江崎先生のコミンテルンシリーズはわからないなりに読んできたので、面白く読める。
アメリカが、ルーズヴェルトがいかに反日に、共産主義に傾倒していくかが描かれている。しかし、ここまでさせる共産主義の魅力は何か?ここまでさせる親中・反日の心理構造は何か?ルソーとマルクスが「困窮生活の中で金欲しさに書いた」共産主義はなぜここまで多くの人を魅了するのか。
「困窮生活の中で金欲しさに書いた」とは私の想像ではなくドイツの経済学者グスタフ・フォン・シュモラーが新渡戸に述べた意見である。
「しかしマルクスならば一度は読んでご覧なさい、文章もなかなかいいところがある。歴史を述べるところ等は面白く読めます。さうして論鋒も頗る鋭いですけれども、あの人の歴史の読み方が、大分間違っているように思う。逆境にをつて書いただけあつて、正義とか公平とかいふ方面には大分欠けてをるように見受ける。 また哲学的のところもヘーゲルを焼き直したやうな所が多いが、確かに新味はないでもない。先ず中等教育を受けた者は彼を面白く読むでせうが、しかしわれわれ学徒の眼から見ると、ただ際どい、かつ巧であるといふだけで、読めば慰み半分に読むくらいのもので、真面目になって彼の説を読むような気はしません。」
この章で書かれていることで気になったのが日本の対米研究の甘さだ。きっとこれは今も共通している。このブログで「海のウルカヌス」というカテゴリーを設けて米国の動きも追っているおは、太平洋における米国の動きを誰も日本の学者や政策関係者が知らないからだ。
私は米国沿岸警備隊と日本の水産庁が違法操業取締りを話し合うよう裏工作したのだが、なんと水産庁の幹部が米国沿岸警備隊からの面談申請を断ったのだ。本人から聞きました。もう一度書く。断ったのだ!