京都に山縣有朋が造園家・小川治兵衛に作らせた日本庭園がある。山縣が別荘にした家屋もあり、1903年4月21日、山縣有朋、伊藤博文、桂太郎、小村寿太郎が日露開戦を決定した洋館もある。
明治の歴史と東山を借景にした美しい庭。
この日本家屋の2階を丸一日借り切って読書をしてみた。
こんな贅沢な提案をしてくれたのは今無鄰菴を管理している植彌加藤造園株式会社のプログラムディレクター 山田咲さん。
私「でも美しい庭園に目が行って読書なんかできないんじゃないかしら」
山田さん「ええ、でもその心の葛藤を楽しむのもいいかもしれない。」
へー、日本庭園の美しさと読書を巡る心の葛藤、か。オツな経験かも。。と実行して来ました。
心を奪ったのは庭園に水を撒いている職人さんだった。スプリンクラーではなく、庭に流れる池にポンプを置いて水を組み散水するのだ。そのポンプがなかなか安定しない。2階からハラハラしながら見ていた。もっと悲劇なのが、猛暑の午前中の水撒きの後、夕方前に2時間ほどの夕立が来たことだ。。ああ、あの水撒きの苦労はなんだったのか。。
読書の方だが2、3冊抱えて行き、一冊は読めた。
山田さん「座布団は山ほどありますから重ねてベッドにして昼寝をしてもいいんですよ。」
それはさらに贅沢な時間と空間だった。
今でも幽霊となって現れる山縣さんとも少し交流ができて、一日お邪魔したお礼にドイツ語の歌を歌うことを約束した。山縣さんは林業を学びにドイツに留学していたのだ。