やしの実通信 by Dr Rieko Hayakawa

太平洋を渡り歩いて35年。島と海を国際政治、開発、海洋法の視点で見ていきます。

初めての札幌ー台風・地震・中国人そして国際法学会と北大文書館(3)

初めての札幌。目的は国際法学会の参加と北大文書館だった。

しかし台風と地震でその主要目的の記憶が薄れてしまいそうなのでメモしておきたい。

国際法学会は東北大学の西本博士の発表がメインの目的であったが、他の発表も興味深かった。特に外務省の中堅幹部の現場の報告だ。非拘束文書の外交的意味など学会でなければ聞けないだろう。

そして今でも頭から離れない発言がある。村瀬信也教授の質疑応答でのコメントだ。

20世紀が海洋法条約であれば、21世紀は大気法条約を太平洋島嶼国のどこかから、パルド演説のような演説をさせて立法化させたい、という内容だった。(私が村瀬教授の発言を誤解している可能性もあります)さらに村瀬教授は「国連の国際法は小国を守るためにある。」というような事も言われて、これもそうなんだろうな、と思いつつも背筋が凍りついた。

(国連の国際法は、小国の何を守ろうとしたのか?パラオの子供達が麻薬に手を出す環境を作ってきたのだ。海洋法条約は小島嶼国を誕生させたが彼らの何が守られたのか?自決権の結果は恐ろしいものなのに。)と心の中で思い村瀬教授に小国の現実をどれだけご存知か伺ってみたいとさえ思った。村瀬教授は長年中国の大学で勤められていたという事である。