新渡戸の東京帝国大学植民政策講義、11月下旬に立ち上げたにもかかわらず、2月以上も棚上げにしましたが再開します。
忘れていたわけではなく、12月は米欧州(ワイマル含む)訪問、1月はワイマル共和国の林先生の本に衝撃を受け(個人的にも多忙を重ね)、2月は急遽インド太平洋研究会オフラインセミナー開催の話が進み太平洋縦断と共に片桐論文をまとめ、と全てエクスキューズですが、新渡戸に集中する時間が持てませんでした。
同時に植民政策を扱う当たって日本の植民研究がどのようになっているのか?もしや新渡戸の先行研究がないか調べましたがとんでもない状況である事が確認できました。このブログで粛々と「東京帝国大学植民政策講義」を紹介する意義を確信しました。
さらに新渡戸の弟子、矢内原が戦争が始まった1942年(出版は1943年)に必死な思いでまとめたこの講義は、ここはまだ想像ですが、戦中日本の戦争目的を研究していた重光葵(彼も新渡戸の生徒)の東亜共同宣言にも関係してくるのではないかと考えています。
講義は全部で9章あります。なるべく関心を持っていただけるような箇所を引用し、完結にまとめるよう努力します。
これを読むと「植民」に関するみなさんの偏見が一掃されることを願って。
「植民とは一社会現象」 ー 矢内原忠雄