やしの実通信 by Dr Rieko Hayakawa

太平洋を渡り歩いて35年。島と海を国際政治、開発、海洋法の視点で見ていきます。

日本ーバヌアツー中国を結ぶ仮想通貨犯罪(8)最終回 ー債務の罠か歳入の罠か

 バヌアツで起こった中国人による仮想通貨犯罪。たまたまこの事件があった時にバヌアツに滞在していた。そして日本に戻ってから浅野亮教授からご関心を持っていただいた事をきっかけにまとめてみようと思った。

 何より資料を読んで行く中で、旧知の現地ジャーナリスト、Dan McGarry 氏が警察高官から脅かされながらもこの件を取り上げていることに、少なからず応援できるのではないか、という気持ちも湧いてきた。 

 関連記事は山ほど出てきているが、ダンの下記の記事をまとめて最終回としたい。もし質問などあれば遠慮なく問い合わせメールにでもください。


 ダン編集長は数年前に中国による「債務の罠」はないという記事を書いていたが、今回の事件、特に4千冊のパスポート販売がバヌアツの国家予算30%近くを占めていることから「歳入の罠」という短い記事を出している。

 債務でも歳入でも罠であることに変わりはない。Plustokenのこの詐欺は3千億円に相当することが書かれている。そして中共政府は目的のためには手段を選ばない、暗にギャングですら利用することに躊躇しないことも書かれている。バヌアツにある中国大使館の周りに「怪しい」中国人がたむろしているのをダン編集長の新聞社のスタッフは目撃している。

 ダン編集長はこの記事の最後に、バヌアツのパスポートでビザフリーで行ける125カ国の先進国もこの件に注視すべきだ。国際秩序の崩壊だ、と結んでいる。

 私はダン編集長にマネロンである事を指摘した。しかしバヌアツ国内にいる中国人犯罪者がこの問題を中共政府に密告したことは話していない。

dailypost.vu

 

産経Bizからこんな記事が出ているのを教えてもらいました。ビットコインでパスポートが買えるようにしたのか。これは明らかに中国人のマネロンです。重要なのはこれを推進しているのがバヌアツの「首相」であること。首相官邸のビジネスとしてやってます。