やしの実通信 by Dr Rieko Hayakawa

太平洋を渡り歩いて35年。島と海を国際政治、開発、海洋法の視点で見ていきます。

麻田貞雄著『両大戦間の日米関係ー海軍と政策決定過程』

ワシントン軍縮会議はヤップ協定が日米間で締結された会議でもあるので興味はあるが、しっかり本を読んだとはない。

麻田貞雄著『両大戦間の日米関係ー海軍と政策決定過程』の2、3、4章を読んだ。当然だが日本も米国も一枚岩ではなく、海軍の中も一枚岩ではない。読んでいると米国の中に日本の味方も見えるし、日本の中に日本の敵も見えて来る。

また良かれと思った軍縮がその後どのような展開になるのか、筒井清忠先生の講演会で聞いたことを以前書いていた。

 

「ベルサイユ宮殿での会議に続くワシントン軍縮会議(1922)。このあおりを受けて9万6400人、約十万人の将校、士官の首が切られた。軍縮会議が、軍事大国となっていた日本にこんな影響を与えていたとは始めて知りました。とういうか当時10万人以上の軍人がいた事も知りませんでした。現在は約25万人、予備兵が5万人で合計30万人。首を切られた軍人達。

士官は潰しが効いたが、エリートの将校の潰しが効かなかった。この将校達が北一輝と繋がっていく。 筒井清忠教授は”たまりにたまったマグマが暴発したようなことになったのが二・二六事 件だと言えるだろう”と結んでいる。」

麻田論文には一言、そのことが触れられているだけだ。

論文のテーマは「海軍と政策決定過程」ということだが、第一次世界大戦につながった海軍の政策決定過程を平間洋一先生が博論で書いていらっしゃる。どちらも膨大な資料を読み込んで、その複雑な政策決定過程を読み解いて、時には想像しているのではないだろうか?

ミクロネシア海洋保安事業を一人で立ち上げた事を書こう書こうと思ってなかなか時間が取れない。敵はいつも財団にいた。それもつまらない理由だ。意外と敵のはずの豪州が理解を示してくれた。私は最初は構えていたが豪州政府のボロボロさが見えて来ると思わず「頑張れ、こうやればいいんだよ」と教えてあげることが多く、感謝された。これで2014年の安倍総理の豪州訪問は大成功に導いたのも私だ。

政策決定過程ね。一に人間力、2、3に人間力。次に気力で最後が知力。あ、あと運命の女神がどう微笑むか、というのも重要だ。