カール・シュミット『現代帝国主義論』は7編の小論をまとめている。翻訳者の長尾氏は3つ目の論文のタイトルからこの本の題名をつけたのだそうだ。
国際連盟とヨーロッパ(1928)
ライン地域の国際法的諸問題(1928)
現代帝国主義の国際法的諸形態(1932)
ライヒ・国家・連邦(1933)
全面の敵・総力戦・全体国家(1937)
戦争概念と敵概念(1938)
日本の「アジア・モンロー主義」(1939)
1930年の大恐慌で、ちょうどドイツ経済が打撃を受ける前後。シュミットは1933年にナチ党員になり法体制を、ヒトラーの東欧侵略を支えていくのだ。しかし、ワイマール時代に1930年の選挙でナチス党と共産党が勝利した際、ワイマール憲法48条大統領非常大権で違法化しようとしたのである。
林健太郎の下記のワイマルの本を読むと、ワイマル体制こそがヒトラーを誕生させたことがよくわかる。ワイマルで生まれたドイツの混乱をシュミットは法学者として対応したかったのではないか、と思いたくなるが、全くの知識不足で何も議論できない。
上記の7つの論文について一つづつ、メモを書いて行きたい。