やしの実通信 by Dr Rieko Hayakawa

太平洋を渡り歩いて30年。島と海を国際政治、開発、海洋法の視点で見ていきます。

安井郁ー大東亜国際法、原水協、チュチェ思想

 カール・シュミットの「大地のノモス」解説の参考文献に安井郁著「大東亜国際法」があった。安井郁氏は国際法学者で、戦後は公職追放され、世田谷公民館館長に。ここでビキニ核実験を契機に原水協を立ち上げ、チュチェ思想の指導者となっていくことを、これはウィキで知った。

 シュミットから共産主義。何かとても意外である。誰かまとめていないかとウェブサーチをしたら「国際法学者の“戦後構想”-「大東亜国際法」から“国連信仰”へ」という竹中佳彦氏が書いた論文がダウンロードできる。

 「二人のY」というテーマで安井郁と横田喜三郎の戦前戦後への議論が詳細に追われている。

 まとめきれない内容なのだが、一箇所だけ書いておくと「安井は追放によってマルクス・レーニン主義を自己の立場としていくことになる」とある。しかしその安井を批判してきた横田は戦後国連信仰を主導する。国連がマルクス・レーニン主義の影響を強く受けていることを知れば、結局「二人のY」は違う道を選んだが同じ結論に達した、ということなのかもしれない。

 国際法学が、国際法学者が与えた影響というのは大きいのだ。