やしの実通信 by Dr Rieko Hayakawa

太平洋を渡り歩いて35年。島と海を国際政治、開発、海洋法の視点で見ていきます。

Antonio Cassese とB. V. A. Röling

 国際法の巨人、大家 Antonio Casseseの自決権の議論を読んでいるのだが、江崎先生から東京裁判と彼の関係を指摘され、チラッと読んだこのペーパー。著者金碩淵は韓国の研究者だ。

 「「東京裁判史観」の廃棄を訴える「右翼」の場合、「勝者の裁き」論を繰り返しつつ、裁判の意義に対してあまりにも冷笑的である。」

 レーリングやカッセーゼが東京裁判を批判しながらも戦争犯罪に国際法の視点から取り組もうとし、必ずしも東京裁判史観」を全否定していない事を書こうとしているのだと思う。

「平和に反する罪」と東京裁判の遺産:レーリング判事の意見書と回顧 - Peace Studies Association of Japan Page

 

2011年に亡くなったカッセーゼの意志を継ぐ活動もあるようだ。

 

 

そして私が急にアントニオ・カッセーゼ、通称ニノに人間的関心を持ったのがこの追悼式典の50年来のエジプト人国際法学者のスピーチである。東京裁判のレーリング判事はニノのメンターだった。ニノの国際法学者、判事としての戦後の動きはまさに東京裁判の検証と国際法として有るべき姿を求めた実践だった、のではないだろうか?

"Walking the road he paved", Antonio Cassese 1937-2011

 
下記は亡くなる前年にレーリングにつて書いた論文、のようでこれは読んでみたい。
Cassese, Antonio 2010. “B. V. A. Röling - A Personal Recollection and Appraisal,” Journal of International Criminal Justice 8