やしの実通信 by Dr Rieko Hayakawa

太平洋を渡り歩いて35年。島と海を国際政治、開発、海洋法の視点で見ていきます。

国際法

パラオ海洋保護区の問題を指摘するウィップス大統領と柄澤大使

https://islandtimes.org/a-new-chapter-in-the-history-of-palaus-pelagic-fisheries-karasawa/ 柄澤大使は、3隻の船はパラオ国内の遠洋漁業市場を強化し、乱獲されているサンゴ礁の種のストレスを軽減するのに役立つと説明。 「パラオの漁業を取り巻く状況…

田岡良一『委任統治の本質』1941 (後編)

こんな私の読書メモなんか誰も読まないだろう。それにしても田岡博士は偉大だ。なんで博士の委任統治論を今まで誰も教えてくれなかったのだろう?太平洋島嶼国の誕生に重要な議論である。 と思っていたら結構な反応があって、後編も期待している、若い人に読…

田岡良一『委任統治の本質』1941 (前編)

田岡良一博士(1898年 - 1985年) 先日再読した等松博士の南洋群島の序章に委任統治研究の概略があった。以下の4点が挙げられている。 田岡良一『委任統治の本質』 古垣鉄郎"Les Mandats internationaux de la Societe des Nations" 1923 (博論) クインシ…

太平洋島嶼国のEEZ(修正あり)

やっとできた! 太平洋島嶼国のEEZと、陸地面積、人口、GDPを比較した表。 参考に日本と中国を入れた。(下線は修正箇所) 左から4つ目の列は陸地面積とEEZ面積の比較。日本はEEZは陸地の12倍。クック諸島は8,270倍。キリバスは4200倍。 左から6つ目の列は…

文化大革命とアフリカとムーミンパパ

60年代のアフリカの誕生と中国の国連加盟と海洋法条約、この流れをさらっと書くつもりが中国の文革をアフリカが支えた、軍事支援もして分離独立も支えたことがわかりました。 ああ、60年前から中国は同じことを続けているのだ。今に始まったことじゃあない、…

パルド大使の論文とムーミンパパ

海洋法条約の父、パルド大使の論文ってあまり出て来ないなあ、と呟いたら下記の2つをムーミンパパさんが教えてくれました。(ツイッターのアカウント名です。多分国際法を専門にされる方です) 後で読んでコメント書きますが、パルド大使は海洋の専門家でも…

ハンナ・アレントー永井陽之助ー阿部斉

ロックダウン中のニュージーランドに入国し、隔離生活11日目。 読書計画があったが、永井論文に出会って見事に崩壊した。 国連人権理事会のパネルに中国が選ばれたとのニュースに接し、国連に「人権」が入る事を書いていた草間秀三郎氏の論文を思い出して…

『国際法原理論』ハンス・ケルゼン (読書メモ)

1881年 - 1973年。法学者は長生き? シュミットは少しだけ読んだ。ケルゼンはまだでどこから手をつけるべきか、読まなくてもいいか、迷っていた。 『国際法原理論』Principles International Law は2016年に長谷川正国教授が5年をかけて翻訳された本である。…