ロックダウン中のニュージーランドに入国し、隔離生活11日目。
読書計画があったが、永井論文に出会って見事に崩壊した。
国連人権理事会のパネルに中国が選ばれたとのニュースに接し、国連に「人権」が入る事を書いていた草間秀三郎氏の論文を思い出して再読した。ソ連が強く反対したのだ。
その草間論文の注に永井陽之助先生の論文を見つけてしまった。しかもアメリカの社会主義の話。難しい論文なのだが心と頭が(多分心の方)囚われてしまい、2日ほど隔離生活の時間を費やした。それでもまだ全く理解できていない。
永井先生には青学時代にゼミに参加させていただき小国の理論を学ぶ機会を得た。ここでかなり太平洋島嶼国の「現実」が理論的に理解できたのだ。そして永井先生がアメリカ研究者である事を全く忘れていた。
「なぜアメリカに社会主義はあるか」を誰か読んで批評を書いていないかウェブサーフィンしたところ、なんと永井先生はハンナ・アレントを初期に研究し日本に紹介したお一人だったのだ。
さらに私が「公共性」について学んだ阿部斉先生のお名前もアレント研究者として下記の川崎修氏の論文にある。阿部先生の本を読んだのは20年以上前だ。まさかあの議論に背景にアレントがいたとは!
川崎修、ハンナ・アレントと日本の政治学、政治思想研究 (6) 82 - 109 2006年5月
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjpt2000/6/0/6_82/_pdf/-char/ja
という事で結局アレントに辿り着いた。当初の読書計画には阿川尚之教授ゼミでご教示いただいたアレント『革命について』を入れていた。まだ読みかけなのだ。アレントは、ローレンツ・フォン・シュタインも読んでいたはずである。
11日間の隔離生活でまだ2冊しか読んでいない。