やしの実通信 by Dr Rieko Hayakawa

太平洋を渡り歩いて35年。島と海を国際政治、開発、海洋法の視点で見ていきます。

文化大革命とアフリカとムーミンパパ

f:id:yashinominews:20200619075604p:plain

60年代のアフリカの誕生と中国の国連加盟と海洋法条約、この流れをさらっと書くつもりが中国の文革をアフリカが支えた、軍事支援もして分離独立も支えたことがわかりました。

ああ、60年前から中国は同じことを続けているのだ。今に始まったことじゃあない、と呟いたら、先のムーミンパパさんが文革の時は支援が止まったはず、とコメントをいただき、あれ?読み間違えたか?と再度資料を確認しました。

繰り返しますが、中国とアフリカの関係。意外と思われるかもしれませんが国連海洋法条約の背景として重要なのです。

ここら辺の事情は今書いているテキストブックのメインではないのでさらっと触れる程度だったのですが、非常に興味深いのと、まさにこの中国のアフリカ支援を受けて中国に滞在し、母国マリの開発も見て来た人物、日本の大学の学長にまでなったウサビ・サコ教授がそのことを日本語で書いて、またビデオまであるのです。

中国の支援を評価しつつも「中国はずるい」と言っています。んんん、これもわかる。

 主な内容は下記の通り

アフリカの70年代は独裁政権・・
80年代は経済危機と農業の失敗・・
中国は一貫して支援を継続。

中国が支援を強化するのは旧宗主国の欧州の締め付けが厳しくなた時。
アフリカは中国支援が好き。なぜならすぐ契約するから。
日本は決定まで時間がかかる。。

文革時代中国のイメージが悪い時、アフリカが中国を代弁し中国のイメージを改善した。
ネガティブな面としては「中国はずるい」と。。何となくわかる。

論文にもなっています。

 ウスビ・サコ、京都精華大学人文学部

文化大革命期における中国援助とアフリカ外交の役割 (中国文化大革命と国際社会 : 50年後の省察と展望 : 国際社会と中国文化大革命)、アジア研究 (別冊4), 95-99, 2016-02 静岡大学人文社会科学部アジア研究センター