やしの実通信 by Dr Rieko Hayakawa

太平洋を渡り歩いて35年。島と海を国際政治、開発、海洋法の視点で見ていきます。

「百聞は一見に如かず」ならぬ「百読は一見に如かず」

先に御紹介したオーストラリア関連の論文3本を執筆された防衛大学の福嶋教授と夕食をごいっしょする機会をいただいた。 「百聞は一見に如かず」ならぬ「百読は一見に如かず」。 3論文についてアレコレお話を伺い、防衛省関連の話し(ウグイス嬢作戦とかそれを真似した米軍とか)は知らない世界だったので、驚くばかりだった。防衛大学に海保から一人来ているがもっと来てほしい、とか。  福嶋先生から具体的な提案を含めて3つの訓示があった。

1. 映画『海猿』の英語吹き替えを作成し、豪NZに配信せよ。

これは大賛成。豪NZとも政府の沿岸警備隊は、ない。米国高官からも「日本にコーストガードがあったの?」と聞かれるくらい、世界で海上保安庁の知名度は低いようだ。しかしこれほど国民から支持されている組織はない。そして防衛省は今の所中国と北朝鮮しか見ていない。

2. 何も判断しないより、間違った判断をせよ。

奥が深い訓示である。判断しなければ怒られることも批判されることもない。自分の中に蟠りが残るだけだ。

3. とにかく、継続させろ。

大平首相がPacific Ocean Communityを提案してから約30年。やっと私が、渡辺昭夫先生の意志を受け継いで「海の太平洋共同体」を実行しようとしている。1、2年ですぐ結論を出そうとする方が無理。焦らない焦らない。