やしの実通信 by Dr Rieko Hayakawa

太平洋を渡り歩いて35年。島と海を国際政治、開発、海洋法の視点で見ていきます。

ショパンのバラード1番とトラッド前議員

 ショパンのバラード1番を弾き始めてから1ヶ月ほど経つが、半分ほど進んだ。

 

 その間、海洋安全保障研究会の委員をお願いしているオーストラリアのセネター、ラッセル・トラッド議員がこの7月に退任され、加えて野党にも拘らず、8月になって連邦政府の"special envoy to eastern Europe, the Balkans and the Caucasus"にラッド外相から指名された事を知った。"special envoy"は大使のような外交使節のようである。

 元々、国際政治学者であり、議員時代は国防外務議員委員会の委員長もしていたので、今回の起用に反対の声は出ないであろう。野党対策効果も期待できる。

 人材が少ないオーストラリアの人の使い回しはうまい、と思う。ラッド首相が外相になった時は唸ってしまった。クリントン長官が「ホワイトハウスによく戻ってきて下さいました。」と訪米中のラッド外相を歓待しているニュースをキャンベラで見た時は、首相外相がコロコロ変わる日本と比べショックだった。

 さて、トラッド議員が担当する東ヨーロッパはショパンの故郷。このショパンのバラード1番は確かポーランド叙事詩が関係していた事を思い出した。20年以上前の記憶である。

 早速ウィキペディアで調べると、ポーランドの革命詩人アダム・ミツケヴィッチ(写真)が反ロシア思想を隠して書いた叙事詩コンラッド・ワーレンロッド』にショパンがインスパイアーされて作曲されたのがバラードの1番。

 『コンラッド・ワーレンロッド』は14世紀に実在した騎士である。

 東ヨーロッパの歴史は全く知らない。今度トラッド議員とお会いした時に30分は話しが持つ様に勉強しておこう。