やしの実通信 by Dr Rieko Hayakawa

太平洋を渡り歩いて35年。島と海を国際政治、開発、海洋法の視点で見ていきます。

オオツゴモリの鯨

オオツゴモリの鯨

 大晦日はイギリスの父親が亡くなられた友人の帰国の手伝いをしていた。 

 何かの拍子にニュージーランドで製作された"Whale Rider"という映画の話になった。

(私)「あれはプロパガンダよ。ニュージーランドもオーストラリアも所有権が未定の南極とその海洋に日本が乗り出してくるのが気に食わないのよ。」

 急に友人の同伴者が感情的に話しだした。

「あれはすばらしい映画よ。プロパガンダなんかじゃない。鯨は美しい生き物なの。食べてはいけないのよ。鯨は歌を歌うのよ。」と5分くらいヒステリックに話し続けた。

 ニュージーランドやオーストラリアの反捕鯨は南極の領有権の政治的問題をはずせば、一部の感情的な環境保護活動家の動きと理解していた。今までも常識と良識あるこれらの国の人々からは反捕鯨感情論を直接聞いた事がなかった。初めての経験である。

 

 確かにこのような反応をされると、反感を持つ。人種差別、文化差別だ。西洋の過去の罪(捕鯨)はどう説明するのだ!「カンガルーは子供をおなかのポケットに入れるかわいい生き物なのよ。」とでも言い返したくなった。

 ここで同じレベルになってはいけない。無視する事とした。

 違った意見があっていい。が冷静に意見交換ができるのが良識ある人々のはずである。

 この人が、民博の外国人招聘研究者で、半年以上日本に滞在している事を思い出した。私たちの税金で、少なくとも数百万円を使って滞在しているのだ。

 ナンカ、ナットクできないなア。