やしの実通信 by Dr Rieko Hayakawa

太平洋を渡り歩いて35年。島と海を国際政治、開発、海洋法の視点で見ていきます。

官僚に学ぶー16倍速「仕事術」

『官僚に学ぶ仕事術』 久保田崇著 マイコミ新書

『16倍速仕事術』 本山勝寛著 光文社

 

 立て続けに、30代の久保田氏、本山氏の仕事術を拝読した。

 片や中堅官僚(現在陸前高田市副市長)、片やNGO職員。不思議な事に内容はシンクロナイズしている。

 時間の使い方だ。メリハリをつける。10年を、1年を、一日を漫然と過ごさない。

 それからインターネットの活用だ。新聞なんか読まない。ネットワーク作りで仕事を支える。

 私がお二人に出会ったのもツイッターを通じて。久保田さんとは日本青年国際交流機構、本山さんとは日本財団という共通の組織があったがツイッターがなければ出会う事は無かった。ちなみにオフラインでお会いした事はまだなく、いつかお会いできる事を楽しみにしています。

 残業をして、体を壊してしなければならないほどの仕事量をこなして来た事への反省が両著者の執筆背景にある。そして、人生の意味、特に家族との時間を大切にしたい、との強い思いがある。久保田さんが新婚旅行に2週間の休暇を取ったのは天晴!

 本山氏曰くこのようなノウハウ本は通常成功を収めた40代、50代が書くものらしいが、今山を登っている若者が書く事に説得力がある。

 私も20代で笹川平和財団に入ってから20年、一人で年間10件の事業を回してきた。その他に広報も実施。加えてボランティア活動とデートにも忙しかった。そんなにきれいに線はひけずデート中は仕事の話しばかりしていたし、仕事中にボランティア団体からの電話をよく受けていた。まだメールがなかった時代だ。周りの目は厳しかったナ。

 高度成長時代を生きた、今の60代70代のおじさん達に「家族第一のセンス」はない。本当はあるのだと思うが、表立って言わない。奥さんも働いている、という方は少ない。

 早く久保田さんや本山さんのような人が幹部になって欲しい。日本社会も、女性の社会進出も変わるかもしれない。