昨日読んだ『第一次世界大戦と日本海軍ー外交と軍事との連接』平間洋一著が頭から離れない。
豪州・NZ海軍はドイツ海軍を前にほとんど無力だったようだ。
チャーチルは、英国外務省をすっとばして日本海軍の支援を要請し、その成果を大きく評価している。イギリス海軍もヨーロッパシアターで苦戦、弱体化していた。
歴史には「もし」が必要。
もし、日本海軍が支援していなかったら、豪州・NZどころではなく、ミクロネシア諸島を中心にアジアの英国領にドイツの手が伸びていたであろう。だからイギリスはチャーチルは日本海軍に感謝したのだ。
日本にも拡張主義があった。当然、ミクロネシア諸島を足がかりにアジア諸国への経済的進出は加速したはずだ。太平洋の真ん中に位置する島々に足場ができれば豪州・NZへの経済進出も容易い。
チャーチルもヒューズも、それはいやなのだ。
あの手この手で日本を押さえ込んだ。
我々は歴史から学ばなければならない。
あんなに苦労して太平洋からドイツを追い出し、日本を、ソ連を追い出した米豪。
かと言ってこの広い太平洋自分たちだけでは守りきれない。
キーティング元司令官が言ったようにこの広い太平洋を守るには日本の協力を必要としている。これ100年前にもあった。太平洋を守るためチャーチルは日本を必要とした。
白豪主義はまだある。日本への警戒感もまだある。
加えて米豪NZの軍事力は減弱化の傾向にある。
第一次世界大戦時と同じ状況だ。
違いはー UNCLOSである。海洋の国際法秩序が今はある。(形成されつつある)
太平洋島嶼国の200海里を守るために、島嶼国の主権を維持強化する形で、加えて米豪が積み上げて来た当該地域への支援制度(PACOM, PPBP, COFA etc.)を維持強化する形で、日本の法執行を中心とした海洋支援体制の構築である。
言い換えれば太平洋海洋共同体 Pacific Ocean Communityの形成である。
(Pacific Ocean Community ー 本省主計局主査で南洋庁担当の経歴もある大平元首相が環太平洋構想に自らつけた英文)
それにしても日本は強い。日本特殊論は避けて通りたいタイプですが
フェノロサが、小泉八雲が、シュリーマンが見た「おとぎの国」はあっという間に軍事大国となった。