やしの実通信 by Dr Rieko Hayakawa

太平洋を渡り歩いて35年。島と海を国際政治、開発、海洋法の視点で見ていきます。

Fa-hien

バングラデシュから留学しているクラスメイトに息子が生まれ、Fa-hienという名前をつけたという。バングラデシュの言葉は一切しらないが、

「なんか中国語みたいね。」と言ったら、

「そうだよ、中国のお坊さんの名前だ。中国は以前はハンブルな国だった。僕の国まで来て仏教を学んで、色々旅をして帰った有名なお坊さんだ。僕はこのお坊さんが好きなんだよ。ところで、漢字でどう書くか調べてくれない?」

Fa-hien 聞いた事ないがウェッブサーフィンはこういう時便利である。法顕である事がすぐわかった。法顕ー聞き覚えがあるが一切知らない。

宇沢 弘文著『経済学は人びとを幸福にできるか』にこの法顕さんとバングラデシュの詳細が書いてあった。(追記:宇沢弘文さんの本にあるのはバングラデシュではなくてスリランカでした。法顕はバングラデシュも尋ねてはいます。)

バングラデシュは法顕が訪ねた頃は世界有数の農業国で豊かであったらしい。そこで、法顕は仏教だけでなく農業技術を学んでくる。法顕が中国の持ち帰った農業技術を日本の空海が学び、日本に紹介。

バングラデシュはその後、西洋諸国の植民地化でズタズタにされ、世界で有数の最貧国となる。

バングラデシュのクラスメイトはどんな事を考えて自分の息子に Fa-hien という名をつけたのであろう?この子が大きくなってFa-hienの事を知り、自国の歴史や自国が日本までに与えた影響をいつか知る日が来るであろう。