やしの実通信 by Dr Rieko Hayakawa

太平洋を渡り歩いて35年。島と海を国際政治、開発、海洋法の視点で見ていきます。

『台湾アイデンティティ』酒井充子監督、2013年

後藤新平を知ってから人生が、世界観がガラリと変わった。

後藤新平で沖縄ー台湾ーミクロネシアが繋がったのだ。

そしてこのブログを台湾研究者、ファンが見てくださり、急に台湾の事が身近になった。

 

太平洋島嶼国と台湾と言えば、3千年の植民の歴史がある。

台湾先住民族のオーストロネシア語族が船で広大な太平洋に拡散したのである。

そして最近の話では、島嶼国を巡る中台援助合戦だ。

 

台湾研究者の方々がこのブログに、また当方に関心を持っていただいたのは、中国との関係のみで語られる台湾問題を変革したい、という事のようである。

 

私自身も彼等から早速学ばせていただいている。

それにしても台湾研究者の台湾を語る姿は熱い!

 

台湾を知るために、ドキュメンタリー映画『台湾アイデンティティ』(酒井充子監督、2013年)を観てください!と言われた。ツタヤにはなく、伊藤博文さん3人とお別れする事に。

しかし、博文さん3人分以上の値打ちのある映画であった。

 

一言では語れない、日本と台湾の関係。

でも一言言えば、『台湾アイデンティティ』を、「台湾」という共同体を作ったのは日本とそこに住む人々だったのである。もっと言えば、後藤新平と新渡戸稲造だったのだ。電車あり、通信であり、農業であり、教育であり。。

 

この映画を観ていてふと思ったのは、戦後に失われた日本精神が、台湾にあるのかもしれない、という事だ。

 

「日本は何をしているんだ!しっかりしろ!大和魂はどうした!」

当方は、パラオのナカムラ大統領、パプアニューギニアのソマレ閣下、そして亡くなられたトンガ王国のツポウ5世からこのようなお叱りを受けた経験がある。

その時はわからなかったが『台湾アイデンティティ』を観て期待されている日本、それに応えていない日本、が見えてきた。

 

 

<関連ブログ>

Japan as a Colonizer - Inazo Nitobe

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