絶版となっている同書を得るため、諭吉さん一人とのお別れする事に。
日本軍がアジア諸国の独立を導いた、という話は色々なところで目にしていたが、ライシャワー氏の下で日本史を学んだジョイス・C・レブラ博士が同書に書かれている事は、平間洋一先生の『日露戦争が変えた世界史』にあった、と思う。
レブラ博士はハーバード大学で、女性として始めて、日本史の博士号を取られたそうである。
最初は大隈重信研究をし、第二次世界大戦へと進む日本研究に。『チャンドラ・ボーズと日本』という本も出している。
さて、本を読むときはいつも「前書き」「後書き」「訳者後書き」を先に読むようにしている。
どのような立場で、背景でこの本が書かれたかを理解する事は、本の内容を理解する上で重要だ。
『東南アジアの解放と日本の遺産』の訳者あとがきが面白かった。というかこれだけ読めばもういいや、と思う内容であった。
東京裁判がおかしい、というのは米国の心ある学者は百も承知だったのだ。
下記、訳者あとがきの285頁から引用する。
「レブラ教授が言うようにアメリカの学会にはいち早く日本近代史の再検討が始まっていた。昭和33年(1958)秋、「近代日本研究会議」(The Coference on Modern Japan)がアメリカのアジア学会の特別プロジェクトとして発足し、昭和44年までの10年間存続した。議長のジョン・ホイットニー・ホール教授(イエール大学)は「われわれは太平洋戦争の諸原国について悲劇的とでもいう意外にない立場、つまり誰にも罪を被せるのでもなく、また、いかなる個人や国家の道徳的正当性にも組しない立場から再検討する必要がある」と述べた。」
この引用文に続く文章が非常に興味深い。
いったいどれほどこの研究会の成果が日米の学会で、言論界で、認識されているのであろうか?
またこの成果はどこにあるのであろうか?ウェッブサーフィンしても見つからないのだ。こんな会議は、近現代史研究家は百も承知で、当方が知らないだけだといいのだが。
昨晩本文を読み始めたが、もっと面白い。特に鈴木大佐のキャラクターがすごい!
近々まとめます。