やしの実通信 by Dr Rieko Hayakawa

太平洋を渡り歩いて35年。島と海を国際政治、開発、海洋法の視点で見ていきます。

マーシャル諸島に突然違法漁船入港!

何のライセンスもないフィリピンの漁船が突然マーシャル諸島に入港した、というニュース。

太平洋では当たり前、よくある話である。

79名の漁船員は船に戻され24時間マーシャル諸島の警察が見張っている。

また病人がいないかマーシャル諸島の病院関係者が船内で検査も行った。

Philippines fishing boat detained, prevented from entering Marshall Islands

06 Feb 2017

http://www.mvariety.com/regional-news/92729-philippines-fishing-boat-detained-prevented-from-entering-marshall-islands

なぜ、違法なのに入港したのか?

考えられるのは以前はマーシャル諸島内で手引きしてくれる人物がいた?

もしくは、入港しなけばならない事故が船内で発生した?

どちらにしろ、マーシャル諸島政府の警察や病院関係者の手は少なく対応に限界がある。

ニュースの最後に2014年後半に似たようなライセンスを持たないベトナムの違法漁船がパラオミクロネシア連邦で見つかったとあるが、これを確認したのは日本の水産庁が派遣した取締船だ。

このブルーボート、パプアニューギニアニューカレドニアまで活動を展開している。

即ちこのような違法操業は、日本げ出て来て始めて確認されたのだ。

太平洋は広大な無法地帯。違法操業だけでなくこれら漁船があらゆる越境犯罪に関与している事は否定できない。やはり先に提案した年間20億円の取締船派遣の意義は大きいと思う。