同志社大学博士後期の入学試験は語学と面接である。
一夜漬けならぬ半年漬けの準備だったので、きっと窮地に追い込まれるだろうとドキドキであった。
ところが、多分面接時間の半分位が坂元教授の貴重な講義だったのである。
勿論面接室にメモ帳を持ち込む事は許されず、「えっ!そんな貴重な情報をここで言われてもメモできません。」と心の中で叫びながら聞いていた。
その一つが、京大かどこかの先生が、メガ海洋保護区を支持する学術ペーパーは世界に2つしかない(確か2つ)ことをある学会で紹介されていたという話である。
メガ海洋保護区を批判するペーパーはウェッブサーチすれば山程出て来る。
以前まとめた。
メガ海洋保護区が問題山盛りなのに、なぜ世界のNGOや財団、そしてメディアはキリバスの、パラオのメガ海洋保護区を賛美し、支援するのであろうか?
パラオも海洋管理法執行を支援しようとしているのはピューやシーシェパード法律部署だけではなく、世界からNGOがあらゆる財団の支援を受けて来訪しているそうである。
関係している財団や大学をウェッブサーフィンしたが、宝石会社のティファニー財団とか、海洋問題の専門性が一かけらもみられない組織ばかりである。メディアに乗せられて、というのが実情であろう。
パラオのメガ海洋保護区がレメンゲサウ大統領から提案された時、いち早く支援を表明したのは笹川平和財団であった。私はその後、このメガ海洋保護区が海洋資源保護を目的にしていない、単なる金融メカニズム、即ち信託基金の設置である事がわかり、ブログにも書いて来たし、羽生前会長にも報告した。国交省から出向している財団職員にもその点を示したが「パラオの人々が決めた事ですから支持します」というあまりにもレベルの低い反応だったので目が点になった。
そもそも、海洋法に関わる外務省、水産庁、元運輸省、海保等々官庁が、UNCLOS62条とその周辺を知らないのだ。当方は同志社大学の坂元教授から伺って始めて知った。安倍総理にも報告されている。
ブログにも書いたが再度コピーしておく。
内閣総理大臣 安倍 晋三 殿 総合海洋政策本部参与会議意見書
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/kaiyou/sanyo/20160519/
添付資料
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/kaiyou/sanyo/20160519/ikensho_betten.pdf
(1)海洋保護区等の設定に関する諸外国の新たな動き
海洋廃棄物投棄の規制など、既に国連海洋法条約だけでなく、各種国際約束で規定・規律されている事項も多い。これらも踏まえて、新たな動きに対応していく必要がある。
その上で、今後、海域利用について検討する際には、国際的な動きについても一層考慮を払うことが必要となってくる。顕著な例として、近年、諸外国において海洋保護区(MPA)に関する新たな動きがあり、こういった動きにどのように対応するかを検討する必要がある。特に一部の海洋保護区(例えば、パラオのMPA)では、若干の例外を除き一切の漁獲を認めないというような、国連海洋法条約の規定上疑義のあるものも出てきている。こうした動きに対し、国連海洋法条約に基づく議論を適切に展開すること、及び相互主義の意義を十分に勘案した上での対応を検討することが必要と考えられる。
メガ海洋保護区なんか支援してはいけないのだ。
少なくとも海洋の専門的知識のある財団,NGO であれば。。
<追記>
米国コロラド州大学の助教授がパラオの調査に来たという大統領府からの記事。(下記にコピー)
彼女のHuman dimensions of large marine protected areas事業に7千万円程の助成を出しているのが
Oak Foundation, (免税店屋さんと投資家達)
The Tiffany & Co. Foundation, (宝石屋さん)
Waitt Foundation, (コンピュータ屋さん)
Lyda Hill (旅行会社経営者で投資家)
つまり海洋問題土素人集団がお金を出している、というワケ。
Office of the President, Republic of Palau
2月16日 8:55 ·
Colorado State University Assistant Professor Meets President Remengesau on Social Impacts of Conservation
On February 9, 2017, President Tommy E. Remengesau, Jr. met with Dr. Rebecca Gruby of Colorado State University (CSU) as part of a research project in conservation policies of large marine protected areas and social impacts.
Leading a university social science research and outreach project, Assistant Professor of CSU’s Department of Human Dimensions of Natural Resources, Dr. Gruby sat down with President Remengesau to talk about the inspiration behind the Palau National Marine Sanctuary, the need to have it, and the social impacts it may have on the Palauan people.
Set to be one of the largest no-take marine sanctuaries in the world, the Palau National Marine Sanctuary has been a subject of international scientific research topics since its establishment in 2015. The Palau National Marine Sanctuary has been drawing researchers not only due to its sheer size, but generally due to its founding concept known as “bul” – the Palauan traditional conservation method of setting aside a protected area to provide for the area near or around it.
This time, a research on the social impacts of the Sanctuary is being put together. According to Gruby, the 3-year collaborative project between the University of Guelph and Duke University is funded by several reputable organizations including the Lyda Hill Foundation, and the Tiffany & Co. Foundation. The project focuses in-depth research into potential human dimensions from design to management of proposed and designated marine protected areas in the Pacific and Atlantic Oceans including the Republic of Palau, Kiribati, Bermuda, Rapa Nui (Easter Island) and the Commonwealth of the Northern Marianas Island (CNMI).