ニュージーランドは太平洋島嶼国に比べると大きな国だが、世界的に見ると小国、に位置する。
もう一つ重要なのは、海洋法の議論の中で、ニュージーランドは常に太平洋島嶼国と協力してその海洋の権益を確保してきた事だ。海洋法121条の島の制度にも大きく関わっている。
そのニュージーランドの水産業が成功している話は色々と出ているが、これを支えているのが日本企業、ニッスイである事はあまり知られていないようなので書きたい。
これは今取りかかっているBBNJの議論にも関係してくるからだ。
海洋法の誕生は島嶼国の誕生を意味する。
島嶼国が広大なEEZを得たのではない。EEZという広大な資源が得られるから島嶼国が誕生したのだ。山本先生の海洋法の文献によれば開発イデオロギー(自決権)と資源イデオロギー(新国際経済秩序樹立・天然資源に対する恒久主権)のまさに象徴的存在が太平洋島嶼国といえるであろう。
ニュージーランドの水産業の歴史は下記のペーパーに手短かにまとめられている。
ITQ制度導入後のニュージーランド漁業界の変遷
大西学
http://www.ps.ritsumei.ac.jp/assoc/policy_science/101/101_04_onishi.pdf
ここではこの歴史をはずして、日本の次ぐ広さを持つ広大なEEZを管轄するニュージーランドの水産業がニッスイによっていかに成功しているかを、断片的にメモしておきたい。
先住民マオリが経営するニュージーランド最大の水産企業「シーロード」の話だ。
このニッスイが進めた成功例は他の太平洋島嶼国が資源の囲い込み、経営の囲い込みという自殺のようなブルーエコノミーという(フェイク!)コンセプトに示唆を与えてくれるであろう。
やっぱり長くなりそうなのでシリーズにします。