やしの実通信 by Dr Rieko Hayakawa

太平洋を渡り歩いて35年。島と海を国際政治、開発、海洋法の視点で見ていきます。

『日本人の底力』渡辺利夫・田尾憲男対談 読書メモ

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拙著『インド太平洋開拓史ー2つの海の交わり』を出版していただいた明成社の田尾憲男社長から年末にランチをお招きいただき、田尾氏と渡辺利夫氏の対談本をいただいた。

読もう読もうと思って机の上にあったが今日パンケーキと共にやっと読めた。
日本がいかにコロナに対応してきたか、多角的な分析がされている。
特に興味を持ったのが人間の不安に対する精神的動きだ。「日本人の死の心構え」という節で両者が古典、ドイツの宗教観、そして現代日本の延命治療の話も出して議論されている。

自粛生活は精神と知能を鍛える機会かもしれない。しかし若い人は辛いであろう。女性の自殺者の増加は気になる。


私と意見が違うのが憲法改正の箇所。緊急事態条項で政府の強制能力を高めても結果は同じであろう。今更いうまでもないが憲法典だけが憲法なわけでなく、政府からの要請で国民は自粛したが、要請がなくても自粛していたであろう。その自粛のあり方に問題ありとわかれば、今青山議員、山田議員が動いているように海外からの入国規制を厳しくするという動きを見せている。ちなみにニュージーランドは憲法典はいくつもあって、緊急事態事項は政令で対応している。水際対策が厳しい同国は、コロナゼロの中、クリスマス、新年のホテルはどこも満室だった。

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写真はワナカ湖畔 ホテルが取れず友人宅に居候