やしの実通信 by Dr Rieko Hayakawa

太平洋を渡り歩いて30年。島と海を国際政治、開発、海洋法の視点で見ていきます。

『民俗台湾』創刊の背景 ー 池田鳳姿 1990

そろそろ海洋法の博論を書き出そう、勢いを得るために小田滋先生の論文を読もう、とウェブ検索していたら小田先生の台湾独立論を見つけた。海洋法の実務家、小田滋先生の論文は読んでいるとなんだか元気が出てくるのだ。

思い出話であろうとそれほど期待せずに読み進めると、国際法の議論もあり、実務家として戦略的な示唆をあの李登輝氏にされていることを知った。李登輝氏は小田先生の友人だ。

それだけではない。小田先生の父親と祖父は台湾の医学教育を率いてきた重要な方だったのである。小田先生は『堀内・小田家三代百年の台湾―台湾の医事・衛生を軸として』(近代文芸社 2010/10発売)という本を出版されている。

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その堀内次雄の文章が「あの」『台湾民俗』に掲載されているという。『台湾民俗』という雑誌の存在は知っている。後藤新平を読んでいる時に、中村哲氏の文章で知った。また拙著『インド太平洋開拓史』に名前だけ上げさせていただいた、金関丈夫、国分直一氏らが、ある意味命がけで台湾の文化を当時の日本軍事政権から守る目的で発行していたこともなんとなく知っていた。

ウェブサーフィンすると『民俗台湾』創刊の背景(1990) ー という文章があった。池田鳳姿著。 池田鳳姿女史は創刊者、池田敏雄の奥さんであり、文筆家としても有名な方のようだ。

 

『民俗台湾』創刊にあたっては台湾大学医学部教授の金関教授の協力があったことが書かれている。同紙は1941年5月に創刊されている。検閲を受けながらの出版だった。

私は考古学者の国分直一氏を通して金関氏の名前を認識していたので医学部という認識がなかった。当然金関丈夫氏は同じ医学部の小田滋先生の祖父堀内次雄と父親の小田俊郎とつながるはずだ。

 

さて、池田鳳姿著 「『民俗台湾』創刊の背景」も読み出したら止まらなくなった。いったい皇民化運動など、どこの馬鹿が始めたのか?台湾に派遣された日本人教師は「チャンコロ」という言葉を台湾の学生に投げつけていたのである。醜い日本人だ。

 

池田鳳姿、こと黃鳳姿女史。中国語のウィキに情報がある。

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