やしの実通信 by Dr Rieko Hayakawa

太平洋を渡り歩いて35年。島と海を国際政治、開発、海洋法の視点で見ていきます。

トンガ火山災害情報28 ソヴァレニ政権と王室を支援せよ

トンガのシアオシ・ソヴァレニ首相は知り合いである。彼はSOPACで通信を担当しており、その関係でよく知っていたが、SOPACがSPCに吸収され(ってここは太平洋の地域機関の話で詳細は省きます)彼は母国の政治に関与するようになり大臣になり、首相に。。まだ50歳ちょっとである。

昨年末に首相に就任し組閣が始まったばかり。いくら彼が優秀でも、誕生したばかりの政府にこの災害対応が可能なのか?また彼は若く、基盤がどこまでしっかりしているのか・・

トンガに詳しい某国のインテリジェンスに話が聞けた。

 

「シアオシ首相、知り合いなんだけど大丈夫かしら?」

「野党は中国べったりなので、シアオシ政権は支持しないといけない。ただし彼は選挙があるので、本当に必要なものではなく、選挙のために国民が必要と思うものを優先させてしまう可能性がある。」

「王室との関係はどうかしら?」

「トンガの政治形態はわかってるよね?軍事と外交は王様が握っている。各国に派遣される大使は王様と近い存在のはずだ。」

「王室の腐敗のニュースをよく読むけど大丈夫?」

「現国王はかなり優秀だ。長姉の王女の権力をコントロールしようとしている」

「トンガは母系社会で、Pilolevu王女は国王より上位ですね。」

「そうなのだが、国王は状況を改善しようとしているし、その成果は出ている。」

「日本の外務省は太平洋島嶼国音痴で、トンガの政治形態も理解できていない可能性がある。本当に必要な支援ができると良いのだけど」

トンガ王室と日本皇室は近い。今回も天皇陛下がメッセージを出したようだね。これは大きな意味がある。また自衛隊が出てきた事は歴史を作っている。ああ、米国は何をしているのか」

「今回の自衛隊の動きは、私も驚きました。私もツイッターやメールで国会議員ん訴えたんです。今外務省は全く機能しておらず親中。岸防衛大臣だけがまともな安全保障外交ができる。今自衛隊を出さなければ、この機会に中国がトンガを掌握、すでに掌握しているけど、さらに悪化する、と訴えました。声は届いた。」

「リエコ、よくやった。君は素晴らしい。歴史を作ったね。」

「はい」

「過去の経緯を見れば、豪州とニュージーランドでは対応しきれない。日英、仏。そしてインドも支援できるといいのだが。」