やしの実通信 by Dr Rieko Hayakawa

太平洋を渡り歩いて35年。島と海を国際政治、開発、海洋法の視点で見ていきます。

「大東亜共栄圏」研究の一視角 共時性としての西洋 酒井 一臣

偶然ウェブで見つけた大東亜共栄圏の研究動向をまとめたもの。著者の酒井 一臣氏は国際関係史学者。短い論文ですぐ読める。私が渡辺昭夫先生の本にみつけた波多野先生のアジア主義の議論が重要であると紹介されている。しかし、ここでも植民、帝国主義、軍国…

米国を支持する小国パラオー台湾のWHO参加を巡って

パラオ大統領府から公開情報。 米国の上・下院議員外交部会4名連名で台湾のWHO参加支持要請レターがパラオ大統領宛てに5月8日付で発信された。 多分他の国にも発信しているであろう。 米国の議員外交、対中国の全面対決姿勢を見る思いだ。そして中国マフィ…

中共の魔の手に自ら身を委ねる小国パラオ

パラオが大変な事になっている。もともとあるオンラインパチンコ法案を緩和し、現在4つのライセンスを発行しているがさらに30のオンラインギャンブルにライセンスを発行する法案が下院を通過。 この背景には昨年あたり大統領がアレンジした香港・マカオの…

緊急事態条項と憲法 <追記あり>

コロナを巡りニュージーランド、オーストラアが厳しい規制を次々と決めて行く様子をみて、その法的根拠はなんであろう?と興味をもち、矢部論文を飛ばし読みで参照した。 国王大権とかヘンリー8世条項とかこの分野完璧素人だが面白い議論であると感じた。 …

「文明の生態史観はいま」梅棹忠男著

今日誰かが梅棹忠男の「文明の生態史観」を紹介していて、急に手元にあった「文明の生態史観はいま」を思い出し再読した。 なぜ日本が太平洋なのか、に答えてくれる梅棹節である。対談形式なのでさっさと読める。 対談相手は川勝平太さん。 梅棹さんから ち…

小泉信三著『共産主義批判の常識』

小泉信三著『共産主義批判の常識』 「7搾取論」と「6階級と民族」の紹介、 小泉信三著『共産主義批判の常識』の背景 著者、小泉信三(1888−1966)について 自分のマルクス、共産主義への関心 7搾取論(小泉信三著『共産主義批判の常識』) 6階級と民族 —…

Compact for Pacific Islands

Compact for Pacific Islands “Developing a grand compact for the pacific” – When I saw this policy recommendation by Prof John Blaxland of the Australia National University, I was pleasantly stunned. This was because it was absolutely the s…

My published journal articles 2016 - 2020

This is the list of my papers on the Pacific and maritime security from 2016-2020 found on web media. <East-West Center> March 26, 2018 JAPAN'S OCEANIA ENGAGEMENT AND MARITIME SECURITY, Asia Pacific Bulletin, No. 417 https://www.eastwestcenter.org/publicati</east-west>…

満州事変 ー 笹川良一と松本重治 『追想松本重治』

1991年に笹川平和財団に入る時、今早稲田で教授をしているらしい黒田一雄から「一生十字架を背負って生きていくんだよ」と言われたことを30年経っても覚えている。 この黒田というのはいっしょにボランティア活動をしていたのだが彼は一切活動せず肩書きだ…

中共の手に落ちた瀕死のキリバス共和国(随時情報を追記)

キリバスの事はフォローしていなかった。 あまりにも海洋保護のフェイクな活動にまみれていたからだ。 先日総選挙があり、台湾を切った現政権が過半数に満たなかった。多くの新人が当選し、なんと、70歳になられた初代大統領タバイ氏も再出馬。 タバイ氏が出…