やしの実通信 by Dr Rieko Hayakawa

太平洋を渡り歩いて35年。島と海を国際政治、開発、海洋法の視点で見ていきます。

2021-01-01から1ヶ月間の記事一覧

『国家平等理論の転換』田畑茂二郎1944年メモ

大東亜共栄圏を国際法の立場で推進していた、田畑茂二郎博士の1944年、終戦間近の論文である。国会図書館のデジタル資料で読める。 大東亜共栄圏の中で独立国家を認めるか、日本の支配の下に置くか、という議論に対する答えだと思う。酒井哲哉著「国際関係論…

小田 滋著 ー 主権独立国家の「台湾」 : 「台湾」の国際法上の地位

小田 滋。主権独立国家の「台湾」 : 「台湾」の国際法上の地位 : (私の体験的・自伝的台湾論) 日本學士院紀要 2007 年 62 巻 1 号 p. 43-68 海洋法の大家、小田滋先生が台湾論を、しかも「主権独立国家」とうたった論文を書いていらっしゃる。何気に読み出し…

「社会人として破綻」していた千野さん2

千野さんから侮辱する言葉を投げかけられて、しばらくショックでどうすればいいのかぼーっとしていた気がする。勿論仕事は粛々とこなしてはいたが。 はっきりとではなく、何気なく、千野さんから言われてことを当時笹川平和財団の会長で、千野さんにレクして…

「社会人として破綻」していた千野さん

www.sankei.com 阿比留さんの「社会人として破綻」で思い出した。今米軍がパラオを拠点に活発に動いている。この基盤を作ったのが私で、足を引っ張ったのが産経の元論説委員長千野けいこだ。彼女は太平洋島嶼国の事も安全保障も海洋問題も、何も知らない。知…

『日本人の底力』渡辺利夫・田尾憲男対談 読書メモ

拙著『インド太平洋開拓史ー2つの海の交わり』を出版していただいた明成社の田尾憲男社長から年末にランチをお招きいただき、田尾氏と渡辺利夫氏の対談本をいただいた。読もう読もうと思って机の上にあったが今日パンケーキと共にやっと読めた。日本がいか…

不戦条約とグロティウス的戦争観ーメモ

長谷部恭男著『憲法講話』第4講平和主義の最初の節が「不戦条約とグロティウス的戦争観」である。 そこに「不戦条約が覆そうとしたのはグロティウス的戦争観」と認められている。一瞬「そうなんだっけ?」と思いつつも大先生の書かれた事に間違いは、少なく…

与那国に自衛隊誘致のきっかけを作ってしまった。

与那国に自衛隊を入れるきっかけを作ってしまったのは私です。 と書くとまたなんか言われそうだけど、奥茂治さんだけではないことは確か。。 ちょっと書いてみたいと思う。あまりにも複雑な話。 ===== 2016年2月7日。北朝鮮のミサイルが上空を飛ぶ八重…

BBNJ協議における小島嶼開発途上国の影響力 — 開発国際法の応用 (試論)

BBNJ協議における小島嶼開発途上国の影響力 — 開発国際法の応用 (試論) 2018年10月11日 早川理恵子 はじめに 「国家管轄権を超える区域の海洋生物多様性の保全及び持続可能な利用に関する国連海洋法条約の下の国際的な法的拘束力のある文書の作成」を求め…